目的地シチリア島の南のはずれ
シャッカという名の街の中心部にようやくついた。
バス停そばで迎えを待っていると
すぐ農家民宿の夫婦が現れた。
日本人は珍しいんだろう。
「すぐわかったわ」と
奥さんのアンジェラ。
夫のエンツォともども、2人とも独特な顔つきだ。
肌の色が茶褐色。
目の色もイタリア本島の人とまったく違う。
茶色の目に茶褐色の肌。
アラブ系なのかとぼんやりと思いながら
しかし人懐っこいアンジェラが車に乗ると
私に矢継ぎ早に質問する。
アンジェラ「これから田舎の家に行くからね、そこがあなたの滞在場所よ」
田舎の家?
よく聞いてみると
シャッカの街中に本宅があり
そこで息子と三人で暮らしているそうで
民宿と本宅を毎日行き来しているそうだ。
私「ふ~ん」
「待てよ?」
「ってことは?」
「まさか、夜は私だけその民宿に取り残される?」
と嫌な予感が頭をよぎる。
今はバカンスシーズンも終わり、
お客さんなんて来るのか?
しかし、ここはシチリアだし!
まだこんなに暖かいし(暑いし)
と勝手に頭であれこれ思いを巡らしていると
車は街から郊外へと車からの眺めがガラッと変わる。
シチリアは一度来たことがあったが、
深青の海、アーモンドの花、遺跡、のイメージ位だったろうか。
日本でいう沖縄、のような南国の小さな島のイメージでいた私だが
今回シチリア島はものすごく広い
ということがわかった。
北海道って行ったことないけど、
たぶんこんなんだろうって。
私の中の北海道のイメージだ!
見渡す限りゆるい丘陵地帯、畑、畑、畑、広大な畑!
何が植えられているかはわからないが
とにかく畑がずっと続く。山がなく地平線が見える!
どでかいシチリアは本土にはない雄大さと険しさがある。
こんなイタリアもあったのかと
驚きならが景色に見入ってると
だんだん周りはオリーブ畑ばかりが続く道を車は走る。
待ち合わせのバス停から約30~40分はたっただろうか
田舎の彼らの別宅である農家民宿に着いた。
オリーブ畑に囲まれたこじんまりした建物は
普通の家のように見えた。
次号に続く