サルデーニャ島

ジョバンナさんの初めての訪問から

 

 

月日はながれ

 

暖かくなり初夏がやってきた!

 

 

 

イタリアは初夏が来るとバカンスシーズンの到来でみんなウキウキだ。

 

 

 

 

外国人でしかも乏しい財務状況の

 

わたしとしては全くウキウキ気分にもなれず、

 

 

はやくお金がかからない住み込みの

 

居所と、料理修業ができるところを探さねばと

 

 

 

焦りのシーズンが到来だ。

 

 

 

私はまたオリーブ農家の民宿、

 

そして有機農家に限定し民宿を物色。

 

 

農家民宿ガイドブック、雑誌が

 

本屋に並んでいるので

 

2~3冊購入し、

 

 

 

よさげなところを物色。

 

 

場所の限定はなし、

 

しかし行きたいところの条件はこうだ。

 

●オリーブ農家

●オーガニック農家

 

これだけ!

 

 

後は文句は言わないので、

 

働かせてくれるところどこでもいい。

 

潜り込めるところ、どこでもいい、

 

 

と切なる願いを込めて

 

 

アタリをつけてガイドブックで探したよさげな

民宿に手紙を書いた。

 

 

 

●わたしはこういうものでございます

 

●日本人の女性で、年は何歳で、

 

●日本で料理の仕事をしていただから料理ができる

 

●オリーブオイルに興味があり

 

●ゆくゆくはオイルのインポーターになる!

 

●そのために料理の修行とオリーブのことを学びたい

 

●働かせてくれないか?

 

 

 

とざっとこんな感じだ。

 

つたないイタリア語で、一生懸命書いて

 

 

 

 

返事が来るかな~と

 

 

3~4軒だったか投函した手紙の返事を待った。

 

 

 

そしてその日はついに来た!

 

 

 

わたしは前述したとおり、

 

な~んにも特別な望みはない。

 

 

 

ただただ、オーガニックオリーブ農家で働けさえすればいい、

 

というささやかな望みだけ。

 

 

 

そして待望の返事が一通、来たのだ!

 

 

 

どこからかって、

 

サルデーニャ島の農家民宿から!

 

 

 

いや~

 

あの時は嬉しかった。

 

 

 

手紙の返事が来たってことは、OKだよな?

 

と思うじゃないですか。

 

 

 

 

封を開けるまで私は小躍りで胸が高鳴った。

 

しかし、中の手紙の内容が、

 

 

 

いま~いちわかりにくく、

 

単語も知らない言葉ばかり。

 

 

 

 

受け入れてくれるのか、受け入れないのか?

 

わたしのイタリア語能力では難しい内容だった(笑)

 

 

 

そこで、

 

友人に読んでもらい、

 

内容を解説してもらった。

 

 

 

そしてその友人も、

 

なんて硬い文章なんでしょう。

 

これじゃ、わかんないよね~と。

 

 

たしかその手紙にはこんなことが書いてあった。

 

 

(手紙)

 

繁忙期に入り、毎年猫の手も借りたいほどの忙しさの

 

海辺の農家民宿です。

 

 

日本人を受け入れたことはありませんが、

 

仕事をしてみましょうか。

 

 

すこし試してみて、採用するかしないか決めます。

 

 

というような感じだったと思う。

 

 

わたし、うれしいような、

 

不採用もあり得る!?

 

 

 

とまあ何とも微妙な手紙だったが、

 

まさかのサルデーニャ島!

 

 

うれしかったな~

 

サルデーニャはイタリア本島からかなり離れた

 

 

西側に浮かぶ大きな島、

 

コルシカ島(フランス)の下のあの島だ!

 

 

 

いつからでもいいから来いと書いてあるので、

 

わたしは早速語学学校(当時通っていた)が

 

夏休みに入ると同時に

 

 

リュック一つだけで島に向かった。

 

 

 

ナポリの船着き場にいくと、

 

行先の船がかなりおっきいのでぶったまげた。

 

 

 

しかも、夕方出て、翌日の朝着だって。

 

10時間以上かかったような記憶が。。。。

 

 

ちょっと行って帰ってくる、という距離ではない。

 

 

 

そして着いたのが島の最南端、カリアリ。

 

 

そこから目的地はまだまだはるか遠く、

 

バスに乗って目指すは北西のオリ―スターノ州のカブラスという町だ。

 

 

 

聞いたことも見たこともない、

 

小さな町に降り立っときは

 

 

 

昼前だった。

 

 

その時のことを今でもよーく覚えている。

 

カブラスのバス停に細身のめがねの青年が迎えに来ていた。

 

 

めがねの青年「REIKO?」

 

わたし「そうです」

 

 

めがねの青年「ぼくだよサンドロだよ」

 

 

手紙の返事をくれたのは彼、そうサンドロだった。

 

 

笑顔の迎えにほっと一息。

 

 

 

 

知らない人の家にご厄介になるのもほんとドキドキだが、

 

迎え入れる方もドキドキだったに違いない。

 

 

 

家に入ると昼の時間、

 

玄関からいい匂いが漂ってきた。

 

 

部屋に入ると、

 

テーブルを囲んで6~7人いたか。

 

 

全員の視線が私に集中!!!

 

 

ざっと見まわすと、

 

イタリア本島にいるイタリア人とは

 

 

ちょっと趣の違う顔立ちの人々だ。

 

 

この人たちとその後

 

イタリアの家族のような関係になるとは、

 

 

 

その時はこれっぽっちも想像できなかった。

 

 

 

次号に続く