長い長~い一日

おいしかったフォカッチャの余韻に浸りながら

 

また2時間かけて帰宅。

すぐ昼ごはんを食べ早速ワインの仕込みが始まる。

 

ワインってどうやってつくるんだろう?

 

 

見た事も聞いたことも無いので全く見当がつかない。

 

木の桶にブドウを入れて足で踏みつぶすのか?

 

そんなわけないよね。

 

 

息子ドメニコと使用人のアルバニア人(顔は覚えてるが名前が思い出せない。どうしても、思い出せない)

 

ともう一人近所のおばさんジョバンナ、もちろん私も頭数に入って

 

4名で仕込みが始まる。

 

え?私も?

そうだ君もだよ~とドメニコ。

 

 

彼はさっささっさと作業の準備をはじめる。

 

そして生まれて初めてワイン作りをこの目で見た!

 

 

このアグリトゥリズモに来るお客さんの為と

自家用の為のワインなのでかなりの量を作る。

 

 

詳しくは忘れたが人間が二人ぐらい入れる大だるに2つだったと思う。

 

つくり方の手順はこうだ。

 

 

1)まず収穫したブドウをそのまま洗わず機械に入れて(機械といっても簡素な手動のもの)ブドウの軸と実に分ける

2)皮付きの実をトルキオ(木でできた搾汁機)に入れてブドウ汁をしぼる

3)絞ったブドウの汁を樽に入れ、絞りカスの皮も一部も加える

 

赤ワインの作り方の一段階はこれまで。

翌日以降、専用の棒で時々かき混ぜながら発酵を促す。

 

 

数日してから(適切な発酵度数に達したら)皮を取り除き

発酵専用のタンクに移し替える。

 

ざっとこんなかんじだろうか。

 

 

これが熟成して11月中旬になると飲み頃になってくるそうだ。

そう言えばボジョレーヌーボーの解禁はその辺りだったな。

 

 

同じ日にもう一種類別のタイプも仕込んだ。

 

赤ワインを仕込んだ残りのブドウの軸と一部の皮を混ぜ

そこにぬるま湯を加えたものを混ぜ合わせる。

 

それを
またトルキオ(搾汁機)にかけて二番絞りのブドウジュースを取り出し

 

それをタンクに入れ別に発酵させる。

 

 

地域ごとに名前は違うらしいがここでは「ビネッリア」とよんでいた。

ロゼワインのように薄いピンクに仕上がり比較的アルコール度数が低いので飲みやすい。

 

 

まあ、これは水で薄めたワインってこと。

一般のロゼワインとは違う。

 

このワイン蔵での作業は重労働、

 

 

また温度管理や蔵付き酵母のみで作られるワインなので

衛生にものすごくうるさく注意されたっけ。

 

 

毎日毎日かき混ぜながら発酵の様子を見入るドメニコは真剣だった。

 

そして木枯らしが吹き始めるころ、

ドメニコのワインは出来上がった!

 

 

赤ワインというより、黒!

 

黒いワイン!

 

 

度数が高いが悪酔いをしない。

最初は飲みづらいが飲みつづけると病み付きになった。

 

おいしいのです!

 

 

早朝の収穫から第一段階の仕込みまで、

なにもわからないなかで、初めて見る光景と作業についていくのとで

本当に印象深い

 

長い長い一日だった。

 

 

そして疲労は最高潮。

 

さすがの私も夕飯無しですぐに寝た。

 

 

実はその日は私の31回目の誕生日だった。

誰にも言わなかったが

 

今考えると

素晴らしい貴重な体験をさせてもらったな~と思う。

 

 

次号に続く