一軒もののオリーブオイル

オリーブオイル屋になる!

 

と決めたのは良かったが、

 

 

どうやったらプーリアのドメニコのオイル、

 

シチリアのエンツォのオイル、

 

そしてナポリのフランコのオイル、

 

のようなものが手に入るのか?

 

 

 

いっそのこと、

 

このうちのどれかを輸入するべきか?

いろいろと、考えた。

 

そして今のようにネットなどもなかったので

 

簡単に、ドメニコとコンタクトをとるのもままならなかったこともあり

 

 

すぐ彼にコンタクトをとることはしなかった。

 

 

一応、農薬を使わない、化学肥料を使わない、

 

オーガニックの安全なオリーブで作られた

 

 

国産エキストラバージンオイル、もちろん外国産などと混ざっていない純粋なオイルがいい!

 

と焦点を当てるまでは良かった。

 

 

そして、

 

頭の中でぐるぐる、いろいろ想像してみた。

 

 

 

わたしは農家の嫁だった時のことを思い返した。

 

 

有機栽培で2hの農地を管理していたが、

 

半分が野菜、半分が米。

 

 

結構広い農地であった。

 

 

有機栽培は除草剤は使わないから草取りなどかなり手間がかかる。

 

そして手間のかかる理由がもう一つ、

 

 

いろいろな野菜を栽培していたからだ。

 

 

なぜならば、

近隣の有機栽培の農家3軒で、

 

有機野菜ボックスを宅配しており、

 

その宅配ボックスを満たすべき様々な種類の野菜を作らねばならなかった。

 

 

私たち(オットと私と義母)でまじめに農薬はもちろん

 

化学肥料を使用せず栽培していたのだが、

 

 

 

3軒のうちの一軒が、

 

え~~~

 

それって有機栽培っていうんですか?

 

 

と疑わしいやり方で、栽培していらした。

 

 

 

当時は、有機認証などもなく、

 

無農薬で化学肥料さえ施していなければ、

 

 

有機栽培と言え、記載できるゆる~い時代だった。

 

 

 

農薬やその他使って、

 

別に、その人の自由に栽培すればいいのだが、

 

 

 

同じ野菜ボックスに有機栽培として販売するのに、

 

それでいいのか?

 

 

 

一緒くたにされるの、ちょっとやだな~と

 

いつもオットと話していた。

 

 

そのことを思い出したのだ。

 

 

 

オリーブも、そういうことにならないよう、

 

絶対に、シングルエステートがいい。

 

 

 

シングルエステートとは、

 

 

誰のものとも混ぜてません、

 

自分の管理する圃場(畑)だけのオリーブしか使用していません、

 

 

という意味だ。

 

 

 

わたしは、昔の農家時代のことを思い出し、

 

 

 

何軒か集まって一つのものを作り出すのはとてもいいことだが、

 

いろいろな考えとやり方の人がいる。

 

 

それを販売することの意味と、責任は誰が持つのか?

 

 

 

もちろん作った人と販売者が責任を負わなければならない。

 

 

もし万一、

 

 

大勢の人が関わり、

 

何か問題が起こった時に、責任の分散がおきるのと、

 

責任が転嫁されるのだけは避けなければならない。

 

 

自分が作って販売するのではないから、

 

そのつくった人と販売者が責任をとるようになるのであれば、

 

 

絶対的にシングルエステート。

 

 

 

そしてものづくり、農作物は

 

どんな人が作ったかがものすごく味に反映される。

 

 

大地と人のコラボが農作物をつくる、は

 

農家の嫁をやっていた時に学んだことだ。

 

わたしは、一軒ものの、一生産者のつくった

 

 

誰のものとも混ざっていない

 

シングルエステートの良さを

 

多くに人に知ってもらいたい、と思った。

 

 

ドメニコのオイル、エンツォのオイル、フランコのオイル、

 

と土地柄も加わわり、皆美味しかった。

 

 

 

私のオイル探しの焦点は決まった。

 

 

 

それをどうやって探すのか?

 

途方にくれたが、

 

 

 

オリーブオイルガイドブックなるものの存在を知り、

 

ガイドブックに書かれているオーガニックのシングルエステートに絞り、

 

 

まずは近場から探しに行くことに決めた。

 

 

 

そうそう、例の自然食品店で出会った例の男もいた。

 

 

彼にも連絡を取って、

 

彼の親戚のオリーブ畑にも行ってみなきゃ!

 

 

 

 

やることは見えて来たが、

 

一つ一つ、そこまで行って自分の目で確かめる!と思ったはいいが、

 

 

 

それがどんなに大変な事であるか、

 

 

 

その時はまだ想像もできなかった。

 

 

 

 

次号に続く