第二の人生

おぎゃーと生まれ両親に育てられ、

 

慣れ親しんだふるさとから上京し自活、

 

そして出会った男性と結婚。

 

 

そこで一生暮らして死ぬんだ、

 

という青写真が、いきなり消えたオットとの離婚。

 

 

簡単に離婚とは言いますが、

 

二文字では言い尽くせない苦しみが私には伴いました。

 

 

それは覚悟を決めるまで続き、

 

しかし一旦覚悟がきまると、

 

その瞬間からまた別次元になることも味わいました。

 

 

私は離婚を機に

 

「第二の人生を歩む」

 

 

を実感することになります。

 

 

オットとの南イタリア旅行は全くつまらなく、

 

美しい風景を見、

 

おいしいものを食べても、

 

まったく響かず、どこに行ったかほとんど覚えていません。

 

 

不思議なのは、

 

どういうわけか中部イタリアに行ったのだけはよく覚えている。

 

 

 

シチリアを中心とした南部旅行だったにもかかわらず、

 

えらい遠い中部にわざわざ移動したのが、

 

いまとなっては不思議。

 

 

 

中部と言えば、フィレンツェが大都市で大観光都市なのですが、

 

その時たまたま雑誌で紹介されていた農家民宿に目が引き、

 

 

大都市には目もくれず

 

全く聞いたことのないウンブリア州の小さな村にある農家民宿に

 

オットと行ったのでありました。

 

 

 

電車を乗り継ぎ乗り継ぎ、

 

最後はバス!

 

 

その不便極まりないアクセスに閉口しながらもやっと着いた時のことも

 

よく覚えています。

 

 

古代ローマ都市がそのまま残り、

 

茶色のレンガで覆われた道や城壁、そして家々がレンガ色一色の

 

高い城壁で覆われた旧市街はかわいらしく且つシック。

 

 

古代都市の面影の強く残っているのが印象的で、

 

南イタリアとは比べ物にならない整然とした美しさがありました。

 

 

その旧市街からちょっとはずれにその農家民宿がありました。

 

 

聞くとその農家民宿もたまたまオリーブ農家でした。

 

 

 

私は語学学校に行った依頼、中部イタリアには近づいておらず、

あまりいい思い出のない中部行きは避けたかったのだが、

 

 

その紹介されていた農家民宿に行ってみたい!

 

とオットを連れていきました。

 

 

そうしたら~

 

私の勘はあたり、

 

 

その民宿の料理が、まためっちゃめっちゃおいしい。

 

スパゲッティポモドーロ(トマトスパゲッティ)

カリフラワーの蒸し煮、

青菜のアーリオオーリオ

 

 

など素朴なのですが、前菜もパスタもメインも付け合わせの野菜料理も

美味しさのグレードが違いました!

 

 

そして~

その訳がわかりました!

 

 

そこの自家製の

 

オリーブオイルの質です。

 

ブルスケッタは極めつけで、

 

とろ~んと溶かしバターのような粘性があり、

 

 

グリーンが鮮やかで(正月後だったので新オイルでした)

 

濃厚且つスパイシー

 

 

 

南イタリアのオイルに慣れていた私には鮮烈でした!

なんて美しいオイルだろう~

 

 

そして料理が、

 

同じトマトスパゲッティでも品のある味です。

 

 

もちろん、南イタリアのトマトスパゲッティもおいしいのですがよ!

 

 

この違いは間違いなくオリーブオイル!

 

と南部ものと中部もの、の明らかな違いを実感しました。

 

 

 

その農家民宿の料理が忘れられず、

 

 

翌年オリーブの収穫時期に行き手伝いをしながら

料理を教えてもらい数週間滞在しました。

 

そしてこのオイルも販売の視野に入れてもいい!

とまで思いましたが。。。。。

 

いろいろあり、断念しました。

 

 

断念した中の一番の理由は価格。

目が飛び出るほどの値段で、

 

 

こりゃ、輸入し日本で販売したらなんぼになるのよ!ってほど高く、

その辺り(ウンブリア州やトスカーナ州)のオイルの相場はそういうもの、

 

 

ということを知りました。

 

高級オリーブオイルなんだ、となんとなく思いましたが、

 

 

なんで値段が高いのか、は輸入するようになって

ずいぶん経ってから分かったのですが、

 

いくら良いものでも買う人は誰もいないだろう

 

高嶺の花とあきらめたのでした。

 

 

しかし、あのねっとりと~グリーンの鮮やかな~

 

そして品のあるあのオイルは忘れられない!

 

 

 

そして時がたち、、、、、

 

その農家民宿のオイルのことは私の記憶からすっかり消えていきました。

 

 

その農家民宿のある小さな村の名は

 

「チッタデッラピエーべ」

 

あれあれ~~

どこかで聞いたことはありませんか???

 

 

 

オットとの旅行、全くつまらないものではありましたが、

ひとつ、すんごいおまけつき、だったのがわかったのは

 

10年以上経ってからのことになるとは。

 

 

人の縁と、自分の運命に、驚くばかり。。。。

自分の胸で感じるがままに、の大事さを

 

しみじみと感じ入っている今、現在。

 

次回に続く