リゾート地で、しかも民宿業だと
今日は何曜日か?
全く疎くなる。
イタリア人のバカンスは大抵一か所最低一週間は滞在し、
この民宿が土日祝だけ予約でいっぱい
ということはない。
だから毎日が忙しい。
休みらしい休みはないわけなのであるが、
そんな中、その合間に気分転換をする。
しかし小さな街すぎて、ここは何もない。
商店街も、スーパーマーケットさえもなかった。
唯一の娯楽は、
バールでのお茶やちょっと一杯ぐらいか。
とにかく何もないところなのだ。
わたしは休みを一日もらう、なんてこともなく、
唯一の楽しみは、週に数回行く海!
毎日忙しく働く、三男を中心に、
次男、そして二人の彼女たちも
農家民宿を手伝っており、家族全員で一致協力して運営している宿であった。
その合間の海は、最高のリフレッシュだ!
近場に嫁に行った長女のベッティと
その息子幼稚園児のドメニコと小2の娘のフランチェスカ、
この4人で海に行くことが多かった。
家からすぐそばの砂浜は、
人もまばらで透き通る海が果てしなく続く。
魚もすい~すい~と簡単につかまりそうなぐらい
泳いでおり、
本島のナポリ辺りの海とは別次元の美しさだ。
はじめての海水浴の時は大興奮!
その素晴らしさを、
生まれて初めての体験を興奮気味で
昼ごはん時に家族に話したら、
三男のサンドロが、
「レイコ、あんなもんじゃないもっとすごいところに連れてったる!」
と、
次の週がたのしみ~わくわく~
頑張って仕事をした私でR。
しかし海に違いなんてあるのか?
なんてぼんやりと想像しながらも、
もっとすごいって・・・・ハテナ?
そして翌週のある日、
サンドロの愛車Caで彼女と3人で
いつもよりちょっと遠い例の海水浴場まで行くという。
この辺りの地名は、イタリア語とは思えない
何とも言えない響きの地名や固有名詞が多く、
サルデーニャ島の固有文化がうかがい知れる。
シチリアはスペインやアラブの影響を受けた印象が見て感じ取れた。
建物だったり言葉だったり、
人の顔だったり、
なんとなくミックスされた人たちが想像されるが
サルデーニャはスペインでも、アラブでもない。
言葉の響きもまったく特殊だ。
その海岸の名前もその系統の特殊な響きで、
今となっては思い出せないのだが、
サルデーニャ的な音の名前の浜辺だった。
そして今までの海とどう違うのか?
そして着いて、わたしは目が点に!
浜辺全部が真っ白だ!
もちろん海の色もトルキッシュブルー。
砂浜が白いので、海の色がさらにはっきりとくっきりと青々しい!
砂を手に持ってさらさらと落とすと、
砂にしちゃあ粒が大きく、
変わってるね!と言ったら、
サンドロ、「それ砂じゃないよ、クオーツだよ」と。
え~~~~ク、クオーツ!!!
って水晶だってことらしい。
すごい浜だ~~~
その日はいつもよりとても混んでいると2人は言う。
え、混んでますか?
混んでるって言ったら、
日本のお盆時期の湘南海岸なんかを思い浮かべますが、
ぜんぜ~~~~ん人がいない。
これは混んでいるとは言わない。
空いてます!って言ったら
2人とも笑っていた。
日本の海の話をしたら、
二人とも目を白黒していた。
最高に美しい砂浜、そして透き通る海。
この向こうは、スペインだ!
白い砂に横たわり、あちらに見える青い海を見ながら、
思えば遠くへ来たもんだわこりゃ。
これが、バカンスでなく
働きに来た先がこういうすんごいところって。
私もツイてるツイてる。
うっしっし。
さて、
8月の中旬のある日、日本のお盆の時期は
イタリアは聖母マリアの昇天の日。
イタリアの祝日なのだが、
夕食後にいきなりサンドロが、
レイコ、早く支度して。
水着に着替えてだよ、だって。
え~~~
もう、私、へとへとなんですが~
いいからいいから早く!と
もう10時を回ったってのに、これから海に?
なんだかよくわからず水着に着替えて車に乗ると、
砂浜にはもうすでに何人もの人が集まっている。
空を見上げると満天の星だ!
そうかそうか、
ここは空気もきれいだから夜空もばっちりきれいで、
星がくっきり見える!
今日は彗星群が見える夜で、みなそれを見に集まっているんだというのが分かった。
満潮だったか、海の水もしかも夜中の海の中って、
なんか違った。
海の中に入ると圧がいつもより強いような気がした。
そして歓声が上がり、空を見上げると、
いくつもの流れ星が!!!
その数、半端でない数だ。
あ、なんか願いを!
と思って願ったことって何だったろう
今となっては全く覚えていないが
ここは、地中海のど真ん中。
繁華街も、なにもないが
他にない宝物があるところだ!
ここに住んでいる人は、
それに気づいてんのだろうか。
次回に続く