わたし、ナポリ人に会う

思い立ったイタリア行き、

 

そしてどうにか着地しイタリアの大地を踏むことはできた。

 

しかし、全く先が見えない中、

 

 

イタリア語の習得で四苦八苦、

それがある程度ほとぼりが冷めると

 

次は一番の目的のための料理修業場探しにまた四苦八苦。

 

その流れでオリーブオイルのすばらしさと現状を目の当たりにした。

 

そこで私は大きく方向転換をすることになる。

 

 

 

いままでは目の前の小道をあっちこっちと状況ごとに進み、

 

わけがわからないなりに、

 

納得しながら一歩一歩進み、

 

 

やっと大きな広い通りに出た気分。

 

それがオリーブオイル屋になると決めたことだ。

 

大きな看板を突然目の前にバーンと掲げられたようだ。

 

 

それからというもの、

 

『自分の眼鏡にかなうオリーブオイルを探す』

 

という新たな目的ができた。

 

 

とりあえず、例のオトコに連絡を取り、

 

オトコの親戚のオリーブ農家のオイルってどんなのか?

 

今、目の前に現れたたった一つの、日本に輸入できるオイルかもしれない!

まだ見ぬキラキラしたものとして、

目の前に目標が定まった。

 

 

そのオイルがいいものであることを祈りつつ、

オトコに連絡を取ってみた。

 

そのころは携帯電話が普及し始め、

 

私も安もの携帯を買い求め持っていた。

 

 

オトコに電話すると、、、、

 

 

「チャーオ、レイコ、電話うれしいよ」と、

 

日本語に起こすとこっぱづかしくなるようなことを恥ずかしげもなく言う。

 

 

「日曜日にうちに遊びにきなさい」と

 

とランチに招待してくれた。

 

 

わたしは遠慮なく、

教えてもらった住所をたよりにバスでオトコの家に向かった。

 

ナポリ市の西側にある港に近い高級住宅街の中に

 

オトコのアパルタメント、日本で言うアパートとは勝手が違う、

豪奢な建物。

 

ナポリの旧市街の古い並みにあるその家は

何世紀にもわたって使いつがれた邸宅であり、

 

中を現代風にリフォームされているが、

 

壁は漆喰で天井は高く、

 

美術館にでも来たか?の趣のオトコの家だった。

 

恐る恐る、家の奥に入ると、

 

オトコの家族、そしてその友達夫婦も呼ばれており、

10名近くの盛大なランチが用意されていた。

 

オトコは会社を経営しているというのが話からわかり、

 

オトコは私をみんなの前で、

「このジャポネジーナ(ちっちゃな日本人のお嬢ちゃん)が

 

日本にイタリアのオリーブオイルを輸入したいんだそうだ」

 

「みんな、協力してやってくれないかな」

 

 

と私をみんなに紹介するとともに、

 

大声で私の話をし始めた。

 

私はもそもそしながら、まだイタリア語もおぼつかないながらも、

 

「私はレイコと申します」

「日本でオリーブオイルが大っ嫌いでした」

「なぜならば臭くておいしくないから」

「しかしシチリアやプーリアでおいしいオリーブオイルを知りました」

「日本のオリーブオイルが本当のオリーブオイルではないというのがわかりました。」

「だから私が日本に輸入したいです」

 

と、紋切り型イタリア語だったが

みんな、うんうんうん、とBrava(わたし女だからブラボーでなくブラバーね)

 

とみんなに褒められた。

 

「それはすばらしいわ~」

「私の親戚にもオリーブオイルつくっている人がいるわよ~」

 

 

と大絶賛された。

ここはナポリのど真ん中、

 

そしてみんなナポレターノ(男)、ナポレターナ(女)

 

陽気なイタリア人の代名詞は、このナポリ人のことを言う、

 

と(その後)私もイタリア全土くまなく行ったが、

 

 

日本人が思っている陽気なイタリア人=ナポリ人がここにいた。

 

 

次号に続く