オイルについてはこれまでで大体状況は把握していただけたかと思う。
今日もさかなさんと電話でおしゃべりし、500リットル、どうすんの?と聞かれてしまった。
私は頭を抱えるしかない(笑)
とにかく売れる‘アテ‘は無いのです。
この一連のブログをご覧になった方!
一人でもアックアサンタオイルに賛同していただける方!
名乗りを上げていただきたいと思うのです。
よろしくお願いします。
さて
ここまでで確か、バルバラ(娘)についてを全く書いてないのですが、お気づきでしょうか?
彼女はこの収穫時期に仕事でスイスに行っており、
私とはすれ違い、今回は全く会うことが出来なかった。
結局、アックアサンタの運営は母であるアントネッラが仕切っており、
過去の一連のストーリーからもわかるように
(知らない人は過去エントリーをご覧下さい。この記事の最後につけたリンク参照。)
彼女の家であり、彼女のアックアサンタなのでありました。
今回はそのことがよくわかった滞在でもあった。
畑では二人で組んで収穫をし、昼ごはん、夕ごはんと、10日間朝から晩までほとんど一緒に過ごし
お互いを少しずつ知ることが出来た。
並の男もめじゃない、まさに女傑。
この二の腕を見よ!
収穫時のはしごさばき、どんな大木オリーブもなんのその。
料理ももちろん、上手。
通常のイタリア人女性の料理とは微妙に違うのだが、
彼女のごはんはおいしい。
横にいるのは3人いる子供のうちの末っ子ダビデ。
なんとこの風貌で15歳、高校生だ!
この二人と三人で毎日昼夕ごはんを食べながらいろいろな話をする。
豪華食事もワインもないが労働後はなんでも美味しく、話も弾む。
話の中でも
彼女は真剣に、来年こそ今働いている幼稚園をやめ、
農業に専念したいと語った。
なぜかと聞くと
『ワタシは変人だから、普通の人といることが苦手・・・
体裁を整えること、や 差しさわりの無い日々のどうでもいい会話や』
『勤めている幼稚園の子供や預ける親も年々変化しており
(これは聞くと日本はひどくは無いがほぼ同じ状況のようだ)』
『時間には限りがあるのだからそういう時間に縛られるのでなく、
自分らしく生きる為にアックアサンタをもっと充実した農園にし』
『自分と同じに自然を愛する人に心の安らぎの場としてこのアックアサンタの家を
アグリトゥリズモ(農家民宿)にし、人の集う場にしていきたい』
と微笑みながら淡々と語るアントネッラ。
ワタクシも、わかるわかる~~と。相槌を。
『この仕事にかかわるようになり、自分の好きな人に囲まれ志の同じ人が集まってくるようになったよ!』
とワタクシが言うと、
『そうそう、そういう風に私もなりたいのよ』
と彼女。
『ワタシとアントネッラはイタリアと日本という遠く離れた場所に住んでるお互いが
こうやって自分の好きなことをしているお陰で出会えたんだね!点と点が結ばれたね!』
とワタクシがいうと
『その通り!』
と彼女も顔を輝かせて答えてくれた。
つくづく、運命の出会いだな~と思う。
こうやって話をしていくうち、彼女にとってワタシがここを訪れたこと、
自分のオリーブオイルの販路に光明が見えてきたこと、
収穫もワタシなりに一生懸命にやり オイルを買う人、インポーターだということだけでなく、
今までどんな風にオリーブと関わってきて、
オリーブオイルをどん風に思っているか(もちろん‘愛‘してるってこと)ということもわかってくれたと思う。
アントネッラとワタクシは出来上がるオリーブオイルをこの地の名・アックアサンタとすることを
前回訪問したときに決めていた。
彼女はオイルをラベルをつけて瓶詰めして販売するのはもちろん初めての経験であり、
それに対しとても興奮している!
と~っても喜んでくれている。
もちろんだ。
自分の育てたオリーブ・つまり娘が他所へ嫁ぐようなものであり、
それはワタクシもオルチョを販売しているときに強く思っている感覚であり
その後アサクラオイルが世に出、今度は畑のオリーブの木たちが自分の娘-という感覚(息子でなく断じて娘ね)
そのぐらいなのでだから。
まさに彼女にとっても同じだと思う。
PCでラベルの思案中。
初めてのオリーブを瓶で売る為の準備も同時進行しているのであるが
初回は250mlだけで販売することに私たちは決めた。
そして瓶はどれにするか、や、一番重要なラベルはどうするか?
彼女は自分の家が大好きなのでそれは絶対ラベルのデザインに組み込みたい、とのこと
既にそのデザインはあるので見せて貰ったが
ワタクシ的にはイマイチ~なのであるが、まぁアントネッラの好きにやって貰うことにした。
『ラベルだけど、どんな色がいいレイコ?』と
庭の花の花びらを摘んで瓶に当ててみる。
『バイオレットにグリーンはいいんじゃない?とかボルドー色にグリーンもいいなぁ』
などと、夢見るように色当てをして試している姿・・・
女傑だがとても繊細な彼女。
これも長く一緒に居てわかったことである。
彼女は物凄く精細なのだ。
彼女の二番目の娘は唯一結婚しており4歳の女の子がいる。
アントネッラにとっては孫娘なのだが
生まれ持った障害を持っており最初は?だったが
今回、その子が自閉症だということがわかった。
孫娘の親である娘のイザヴェッラもよく娘の面倒を見ているが
おばあちゃんであるアントネッラもよく面倒をみている。
それが‘愛‘を持ってみているのがよくわかる。
その孫娘の為にも自分が家に居て愛情を注ぎたい、
面倒見る、という表現ではなく、愛情を一杯与えたい、
と言っていたセリフが印象的であった。
経済的にも、家庭事情的にも決して絵に描いた幸福はないのであるが
彼女自身とその家族の人柄はとても安らげる。
みんな移り住んで心の平穏を得て満足しているのがわかる。
これを書きながらアックアサンタに居たときのことがまた今のことのように思い出される。
彼らはどうしているのだろう・・・・