新たな出会い  ―イタリアウンブリアにて―

私はイタリア人と共同でアサクラ農園を持ち自然栽培のオリーブを作り始めた。
今から4年前になる。

一緒にやってる仲間達はいい人なのであるが
なかなか自然栽培のなんたるか、をわかってくれない。

始めた当初は栽培の仕方などでいろいろもめたものだ。
〈4年たった今はそういうこともほとんどないが)

自然栽培は簡単に言うと
自然環境が本来もつ力をもとに
自然のサイクルにまかせる栽培方法。

それは

植物そのものの生きる力、
土のもつ力
水の力
太陽のエネルギー

その他空気も含め自然界のあらゆるエネルギー
それは科学ではまだわからぬ未知のエネルギーも含めて・・・

+人の力、これは必要最低限のサポートをして
植物本来の生きていく力を引き出す・・・・

反対に普通の栽培は

病気が出たら農薬を、
そして収穫量を一定にする為、もっと収穫量を増やす為に肥料を施す。
栄養成分を吸い取ってしまう余計な雑草は刈る・・・etc…

自然栽培はそういうことは一切しない。

これは自然のサイクルから外れた不自然な行為だから。

イタリア人の仲間は

肥料をやらない
草を刈らずに伸び放題にする

などなどトラディッショナルな方法から逸脱したその方法に
全く理解できずよく私に納得できないと食って掛かってきたものだ〈笑)

そのような状況下私も常に孤独でどうやったらわかってもらえるか、
私のイタリア語の能力もつたないので
途方にくれていた。

だれかイタリア国内に自然栽培をしている人はいないのかと
いろいろ探し始めたのは

そういうことがあったからだ。

そしてやっとそれらしき人を探し出した。

ある日本人のインポーターからの紹介であった。
北イタリアのぶどうを自然栽培しているアスティのロレンツォさん。
素晴らしいワイン醸造家であり
原料は自然栽培のぶどうを自家栽培している。

それを一緒にみてようやくわかってくれた仲間。
しかしまだまだだ、オリーブ農家の自然栽培生産者はいないのか?
その後も探しつづける。

そしてついに

ネット上で自然栽培のグループを見つけた。

その中に小さく書いてあった人物にアクセスしたら
返事がきた。

それが約1年半ぐらい前。

メールでのみやり取りするのみだったが
オリーブ畑の生産者らしい。

やっと!という思いで早くその人に会いたい、
と思いつつも今まで1年ぐらいの間に2回行くチャンスがあったが

スケジュールの関係でだめになり
やっと今回の旅で会う事ができた。

その人の名はバルバラ。

先週の木曜日の夕方にウンブリアの彼女の家へ向かう。
ウンブリアはトスカーナと同じぐらい
オリーブの大産地だ。

とても良質のオリーブが取れることで有名。

バルバラとはメールのやり取りだけで
何歳かもどんな人物かも全く知らない。

快く私の訪問を受け入れてくれた。

まったく人物像が想像できないまま直接会う事になる。
電車がホームについたときにはどきどきものだった。

どんな女性が迎えに来るのか?

『REIKO?』とホームで出迎えてくれたのはなんとごつい大女!

ちょっとびっくり。
50歳は過ぎてるだろう~~と内心、

しかしすぐに、バルバラは用事でこれなくて母の私がきたと。

なんだおっかさんかぁ~

大女、ごっつい感じだが笑顔がやさしい。
お母さんはアントネッラという。

彼女の車に乗り目的地‘Acqua Santa` アックアサンタ 〈聖なる水)と呼ばれる

彼女達が住んでいる家に向かった。