★8月号  イタリア2023夏の報告記

2023年8月号通信

コラム内容

イタリア夏の報告記

駆け足でのイタリア滞在でしたが各所有意義なものとなりました。今まで一度も見ることがなかったマルケ州クリスチャンの小麦の収穫を体験することが出来ました。かなり大きなコンバインで刈り取るのは大迫力!最初に完熟する軟質小麦(ジェンティルロッソ)から始まりました。そしてファッロ、その合間にチェチ、レンティッキエと続きます。これらの麦や豆は刈り取る直前ギリギリまで畑で乾燥させ、日本の米のように刈り取ってから干すや乾燥工程は無く、刈り取れば出来上がりです。今年はイタリア全土5~6月の間雨続きで昨年の干ばつ分の雨が降っている、とクリスチャンは嘆いていましたが軟質小麦もファッロも丈はいつもよりかなり短いものでしたが穂にしっかり実がついており収穫してみると上々の出来です。よかった!チェチ(ひよこ豆)が一部猪にやられており、どの程度の収量になるかはこの時点ではわかりませんでしたが、今年も長雨にもかかわらず、まずまずの収量を見込んでいます。

 次はアブルッツォ州のパスタ(赤ラベル)古代小麦サラゴッラの生産者ピエトロさんへ。お父さんのフィオーレさん亡き後は息子である彼が引き継いでサラゴッラをほぼ、アサクラパスタの為に作付けしてくれています。ありがたいことです!こちらも長雨の影響により小麦穂丈が短く特に麦粒が小さく昨年とは大きく出来が違うとのこと、この辺りが味にどのように影響するか学べますね。サラゴッラパスタファンの皆様、新小麦のサラゴッラパスタは年明けに入荷予定です。どうぞお楽しみに。そしてその次に訪問したのがオレガノや丘ポモ(トマト水煮)、そしてワイン生産の南部カンパーニア州のアントニオさん宅。アントニオさん夫婦はこの三年お預けだったバカンスにお出かけ中で息子のオランドが対応してくれました。長雨の被害がここも。ワイン用ブドウが全滅でオレガノも通常6月から摘み取りが始まりますがやっと7月中旬から始まったとのこと。丘ポモ用のチェリートマトの定植もかなり遅くに終え収穫までどうなるかまだ全く見えないとのことでした。しっかり実がなるよう天気と大地の力にゆだねるしかありません。アントニオさんは7~8年ほど前にも数年続けて雨の害があり、丘陵地帯で灌漑設備もなく自然任せで農業する厳しい条件を天災があるごとにそれを思い知らされます。彼らが住む「モンテカルボ」という地名は直訳すると「はげ山」。森などはほどんどない見渡す限りの丘陵地帯です。その大自然の真っただ中でたくましく生きていることを感じさせられるのも天災がある時です。そういった中で出来る彼らの農産物も大事に皆様にお伝えし販売していかねばとつくづく思いながらモンテカルボを後にしました。

 そして次はオルチョのジョバンナさんへ。一年前にオリーブ畑の一部が火事に見舞われました。昨年秋に燃えた木から新芽が出ているのを見て明るい兆しを感じましたが、新芽が出ていた木は更に芽が吹き出し元気に復活し始めていました。ほとんどが復活できそうな木でしたが中には完全に燃えてしまった木もあります。木の生命力の強さにも感動ですがジョバンナさんとサルバトーレさんは順に剪定をし調えていくと、力強く語ってくれたのにも救われました。これから被害に遭ったオリーブの木が復活していくのか、目が離せません。

 中部→南部→そしてまた中部と自家農園アサクラオイルの畑に回りました。昨年を踏まえ搾油所の選定を考えています。さらによいアサクラオイルにする為にイタリアのメンバーと一丸となって試行錯誤中です。秋に適度に気温が下がればいいのですが、このままだと熟し時期が早まりそうでいつもより早い搾油を視野に入れています。わら一本のマイケルさんのオリーブも順調です。丁度瓶詰作業を見ることが出来ました。丁寧な作業に彼の人柄も再確認でき、更にわら一本に愛着がわきました。いずれにせよイタリアの生産者、皆さん元気で前向きでした。私も彼らの畑に元気をもらって帰ってきました。厳しい暑さの中、生産者の労働は神々しくも見え更に丁寧に販売せねばと再確認させられた旅でもありました。少しずつブログで報告する予定です(れ)

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レシピ:いんげんのサラダ

★8月クローズアップ

オリーブオイル