コラム内容
ワインを五感で感じる
食欲の秋ですね!暑さに悩まされなくて済むので料理も心置きなく作れる季節の到来です!
何処かの誰かが作ってくれた農産物や魚肉などの素材を。
余すことなくおいしく料理したいものです。
おいしい料理はおいしいお酒とともにいただくとよりおいしくなりますね!
(お酒飲まなない方はごめんなさい)
今月号は初夏のイタリア現地教室で弊社取り扱いワインのイル・トルキオでのワインセミナーの様子の一部をご披露したいと思います。
うんちくはいらない、のが私のモットーでしたが、学ぶとそうとも言えない、、、、
イル・トルキオの生産者・オランドにワインのテイスティングについて教えてもらいました。
『テイスティング』とは、別の言い方をすると『愉しみ方』の総称、と学んで納得しました。
ワインは翌日頭が痛くならないが大前提で、白・赤ワイン共、料理と共に口に含んだ時においしいと思えればいい、口当たりがいいワインでさえあればいい、と思っていました。
味覚は『甘味』『塩味』『苦み』『酸味』『旨味』の五つから成る、は誰でも知っていることですが、ワインは味覚だけでなく、五感すべて使って味わうものです。
五感(覚)とは、『視覚』『嗅覚』『聴覚』『触覚』『味覚』です。
『視覚』は色や濁りや粘性、発泡だったら泡の大小や速さ、『嗅覚』だと香り、『聴覚』だとコルクを開栓時や注ぐときの音、そして『味覚』はもちろん舌で味わうもの。
そして『触覚』は何だと思いますか?これは口に含んだ時に舌や口内全体で感じる感覚。舌や口内への刺激として感じます。ピリピリなどの辛味やタンニンの渋みがそれで、味覚とは別です。
ワインは注ぐ時から口に含んでごっくんするまで、そしてのど越し、ここまでがワインを“感じる”ということ。教えてもらいながら参加者みんなで驚きのリアクションの連続でした。
特に面白かったのが『嗅覚(香り)』についてのレクチャーです。
ぶどう(ワイン)の品種ごとにあるスタンダードな香りは、全て自然界にあるものだそうで、赤、白ぶどう(ワイン)にある香りも大まかにパターンがあるそうなのですが、液体のワインからその香りを探しだす作業が難しい。
これはオリーブオイルの香りを表す時とまったく同じです。一緒くたになった液体から単体の香りを探し出す作業は経験によって養われるとオランドは説明します。
それを目で見てわかり易く説明する方法がとてもユニークでした。(これはイタリアで体験してください)
私たちはワインの中に含まれる果物類やナッツ類やチョコレートetc…の香り一つ一つは知っていますが、ワインの中にそれらがミックスされている中から一つの香りを捉えることは至難の業です。
まずその単体の香りを嗅いだことがないとワインの中にそれを見つけることはできない、と言うことに気づかされます。チョコレート(カカオ)は誰もが知っていますが、その香りはわかりますか?
チョコレートさえ意識してその香りをよく嗅いだことはないのではないでしょうか。
嗅いだことがなければどんな香りか判らないように、ワインを嗅覚で感じる時、常日頃から自然界のにおいをかぐ癖をつけるといいとオランドは言います。
料理している時のにおい、材料そのもののにおい、ありとあらゆる香りを嗅ぐ習慣です。
ワインの香りにはビスケットの香り!というように植物だけでなく調理済の香りの表現もあります。
小さな醸造所のイル・トルキオのワインだからこそ、一本一本個体差があるというのも醸造所を見ればわかります。
知ることにより、彼らのワインをよりおいしく愛おしく、感謝していただけるようになりました。
(れ)
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