マリオさんは基本在庫を抱えない、
は前にも書いた。
マリオさんの製麺所は
①農家さんに自分で栽培した小麦を持ち込んでもらって
加工し、農家さんがパスタを自分で売る。
もしくは
②わたしのような販売業者やオーガニックブランドが
原料を購入したものを加工し、そのブランドが自力で売る。
基本、
このどちらかの『依頼品』をつくるスタンスだ。
マリオさんが原料の小麦を購入して製麺し売ることはしない。
これも以前に書いたが、
製麺マシーンに入れ加工するためには
最低量があり、
小さい製麺所と言え、パスタ1型、
1t近い原料をマシーンに入れなければならない。
最初はマリオさんの計らいで
小ロットの農家さんの依頼の時に、
その人の粉を私が買う形にし、加工してくれていた。
初回の加工時には、あまり考えなかったが、
出来上がったパスタを何グラムで売るか?
ラベルはどうするのか?
となり、
スパゲッティなどロングパスタは500gでいいが、
ショート麺は通常500gのところを小さく250g入りにしてもらった。
当たり前だが
どちらの袋にもラベルが必要になる。
製麺所には専用のラベルはないので、
製麺所社長のマリオさんに、
自分で作るしかないね、
と言われ、考えもしないことにずいぶん驚いた。
え~~ラベルがない!
自分の『パスタブランド』をつくるしかない!?
え~どうしよう。
法律上必要最低限の事項だけ記載した
裏ラベルだけ貼ってもらい、
日本へ届くまでには
表ラベル用意しなければならない。
ASAKURAのパスタだから、
『ASAKURA PASTA』でいいんじゃない?
と言ったのはマリオさん。
自分の名前を冠にしたパスタ!!!!
それもな~~~
と決められないでいたわたし。
ぎりぎりまで考えたが思い浮かばない。
仕方なく、
とりあえず『ASAKURA PSATA』として販売したのが始まり。
その時のパスタの画像を今、パソコン内を探したが、
どこにもない!
ラベルデータもない!
どなたか、その当時のパスタ画像をお持ちの人はいないでしょうか?
ほしい!!!
そんなわけで
販売パスタは自己プロディースってことで
自分の名をつけて売りはじめた、
というのが由来なのです。
パスタはまずまずの販売数となり、
想像もしない量の輸入に増え、
パスタの各型が、
それぞれ最低ロットを満たすぐらいの量を
販売できるまで伸びてきた辺りに、ふと。
加工ごとに替わる農家さん、生産者さんに
だんだん違和感を感じるようになった。
時には誰が作ったかもわからない(ただし有機栽培由来)
ものが到着する。
ある時から、
原料の由来がわかるものをパスタに加工しなければ、
と思うようになった。
産地や生産者がだれかとか、
どんな栽培法か。とか、ぜんぶ!
というのも、
『無肥料・無農薬』『自然栽培』という概念を知ったからだ。
有機ももちろんいいが、
有機栽培は肥料を使ったり、使ってもいい農薬があったりする。
それらを一切使わないことで、
パスタの安全性はさらに高まり、
例えば、
過敏症やアレルギーのある人にも
安心して食べてもらえるものになるのでは、
という思いも自分自身の中で高まっていった。
既にオリーブオイル『アサクラオイル』で
自然栽培を実践するようになったことが大きい。
実際、自分が畑に入り、一年を通して栽培に関わると、
色々なことが見えてくる。
見えなかったことが見えてくる。
無肥料・無農薬で小麦を生産する人っているのかな?と思ったら
その人が目の前に現れるのに
そう時間がかからなかった!!!
隣りの県にそういう栽培している農家さんがいる、
と聞いて会いに行ったのが2010年。
移住し、
自然栽培を実践し始めたばかりのクリスチャンという人に出逢った。
次号に続く