新『アサクラパスタ物語』/その④わたし、パスタ輸入します!

そんなわけで~

マリオさんのパスタと悪戦苦闘の日々、

 

 

その後はイタリアに行くたびにマリオさんの製麺所に行き

パスタを購入し、小さなスーツケースを満杯に帰ってくる、

 

というのを一年以上続けたかな。

 

 

テフロンで抜いたパスタは、確かに茹でやすく、

 

ブロンズ抜きに比べ、

茹で湯がドロドロになることもない。

 

 

しかし~~~

 

 

こんな、ひと癖あるパスタを輸入するまでの踏ん切りが全くつかない。

高価でしかも、

茹でるのが今までのように無頓着じゃうまくいかない。

 

 

あ~~~~

 

 

と、頭をもやもやしながら、

製麺所の訪問から約2年たった辺りに、

 

 

来ました!来ました!

 

 

決定的に輸入を決めざるを得ないシチュエーションが。

 

 

それはいつものように、

都内の料理教室に行くために移動中、

 

腹が減って、このままでは教室ができない、

 

何かお腹に入れなければ、、、

 

 

と新宿駅を降り、

すぐさま見えたカフェの看板に引き寄せられ

駆け込み、

 

 

『一番早くできるものお願いします!』

 

ってパスタランチだっていうんで、

それを頼んだわけです。

 

 

キャベツとアンチョヴィの塩味だったよう記憶。

それにサラダとコーヒーがついて1500円だった(2006年ごろ)

 

 

お腹がすきすぎて、

早く来い来いって、

 

お目当てのパスタランチを待っていると、

 

 

ほどなくしてやってきた!目の前に!

 

じゃじゃ~~~~ん。

 

 

 

今思うと、写真撮っとけばよかったな~と思うのですが、

 

それを見て、わたし、固まりましたよ。

 

だって、だって、

 

皿の上のパスタが、

どっからどうみても、

 

高温乾燥のスパゲッティだったから!

 

 

あの、マリオさんの製麺所の訪問から、

私は食べ続けてました低温乾燥のパスタを。

 

 

食べながら大きな感動はなかったが、

食べ続けたてのに意味があったのは、

 

この時わかった!

 

 

視覚的にどうみても低温乾燥された麵ではないというのがわかった。

 

それは麺の色、麺のしなり具合、を見てわかった。

マリオさんのと全く違うからだ。

 

 

腹が減っていたので、しょうがない

そして恐る恐る口に入れて二度びっくり。

 

 

歯ごたえが・・・・硬い!

この硬さはアルデンテっというものではない。

 

 

これはカッチカチに固まっている

まるでプラスチックのような無機的な歯ごたえ。

 

 

これは食べたら胃腸がやられる、

とは思いましたが、

 

最後までいただきました。

 

 

そして教室に駆け込み、教室を無事終え、

 

友人宅に泊まり、

布団に入り横になった瞬間も、

 

胃の中にあのカッチカチのスパゲッティがまだある感じがする。

 

これはやばい~~~

 

 

こういうことか!

 

そうです。

本当の低温乾燥のパスタをずっと食べてきたからこそ、

 

一般のパスタとの違いに、

2年(食べ続けたおかげで)かけて

 

自分の視覚(見た目の違い)・触覚(噛み応えの違い)・味覚(味わい)食後感の違い、

感覚で決定的な違いを実感した瞬間でした。

 

 

布団に入り、暗い天井を見ながら、

これは、まずい、

 

かわいい小さな姪っ子二人のために、

自分と家族の為に、あのパスタをやらねばならない!

 

と思った瞬間でした。

 

 

そしてついについに、

マリオさんに電話をして、

 

 

『私、決心しました!

 

オタクのパスタを輸入します!』って

 

宣言。

 

 

マリオさん、

『君とは喧嘩したくないな~~~~』

 

って言われたのが印象的。

 

それがどういう意味かは、

その時は全く意味不明。

 

 

後々になって分かることになります。

 

 

    次回に続く