★3月号 チェチ醤油プロジェクト

2024年3月号通信

コラム内容

チェチ醤油プロジェクト

 チェチ(ひよこ豆)味噌はお陰様でかなり周知され、手作り味噌ワークショップをやれば各地で大盛況、弊社販売の手前味噌・渡部麹屋さんの木桶樽仕込みのチェチ味噌もお陰様で飛ぶように売れています。大げさではなく渡部麹屋さんの木桶大樽に3個仕込みましたが、すぐ無くなってしまうのではという勢いです。チェチ味噌が定着している、を感じます。

 ご存知の通り、弊社の取扱いのイタリアはマルケ州のクリスチャンのチェチが山のように届くため、味噌を作ったり、ご家庭で作ってもらったり、またレトルトのカレーやミネストローネなどチェチをあれこれに加工し少しでも消費できるように奮闘中です!仕入れなきゃいいのでは、と思われるかもしれませんが、そういうわけにはいかないのです。

 そもそもこのチェチやレンティッキエ(同じく弊社輸入の同じクリスチャンのレンズ豆)は弊社オリジナルのパスタ用『古代麦ファッロを作付けしてもらうため』が基本にあります。2009年辺りに無肥料無農薬で栽培するクリスチャンと取引が始まりパスタ用の麦「ファッロ」を作付けするために新たな畑を借りてもらい種をまき、収穫できた麦はアサクラオリジナルパスタに全部加工しています。

 EUオーガニック規定の穀類を栽培する際に規定があり、同じ畑で翌年も同じ麦類は作付け出来ません。5年周期で毎年作付けを替え畑が疲弊しないよう麦類に病気が蔓延しないように防御のためです。雑穀やマメ科・イネ科の植物、また一年間何も作付けない休耕も義務付けられています。そのサイクルの一年に豆類を作付けます。その為クリスチャンは山間部に40ヘクタールという広大な農地を管理しています(ほとんどが借地)アサクラパスタ用のファッロの確保の裏には漏れなく豆がついてくるのです(笑)初めは豆の食べ方もよく知らず途方に暮れましたが埼玉の豆問屋サン・スマイルさんのご協力を得て、輸入はアサクラ、販売元はサン・スマイルさんとコラボで日本で流通が可能になり現在で10年以上になります。サン・スマイルさんのご協力がないと成り立ちません。その為に、届いたこれらの豆類を早く現金化しその翌年の豆も順次買い取れるよう循環させなければなりません。その為の味噌やレトルトなんです!たまにチェチ餡子入りどら焼きもあります(笑)

 その流れでチェチの醤油!を今計画しています。静岡にある創業240年のお醤油屋さん栄醤油さんの深谷さんにチェチ醤油に興味を持っていただき、サン・スマイルさんのOKもいただき、本格的にチェチ醤油を製造することになりました!栄醤油の深谷允さんは8代目38才という若さ!允さんの2時間の醤油レクチャーでは頭から火が吹きそうになる位の濃い内容で久々集中させられました。この醤油という日本の食文化の象徴のような調味料をイタリアの食材を通しみなさんに何らか一石を投じることができるのでは?といま思っています。本醸造で作る(本醸造といちいち書かねばならない理由があります)醤油屋さんの香り、桶にみっちりついた酵母、百年を越えいい具合に朽ちた木桶、新調した木桶のすがすがしさ、かき混ぜる醤油のねっとりとする音、五感で本醸造醤油屋さんの素晴らしさを感じ帰ってきました。このチェチ醤油プロジェクトは少しずつSNSなどを通しご紹介していきます。どうぞお楽しみに!       (れ)

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レシピ:アンチョヴィ手巻きずし

★3月のクローズアップ

森羅万象(はちみつ)