★6月号 トマトの行方

2026年6月号通

トマトの行方

 気温が上昇し食の嗜好も春から夏へガラッと変換ですね。

夏といえばトマト!子供も大人も好きなトマト。

 

オリーブオイルと塩、そして生のバジリコやドライオレガノを添えて皿に盛ったら立派な

ご馳走です。トマトは生で食べるだけでなく缶詰や瓶詰めに加工し『水煮やピュレ』と

して世界中で利用されています。北米・南米・ヨーロッパ、中国、アジア、アフリカ、

豪州と、トマトのニーズは巨大市場と言えます。

 

日本でも20年前ぐらいから原料の加工用

トマトの栽培が盛んになってきました。一般に売られている生食用トマトでそれらを

作ることもできますが何せ水分が多いのでピュレや水煮には向きません。また加工用、

つまり加熱用のトマトは生で食べてもそんなにおいしくないため日本での需要はまだ

広まっていませんが、加熱した後の旨さや歩留まりが高いため、特徴を知った人は加工用・

加熱用のそれらのトマトを使用します。

 

 

 イタリアでも南イタリアを中心に世界中に輸出してきましたが、2010年を過ぎたあたりから

生産量がガクッと減りました。私が取り扱う丘の上のポモドリーノ(チェリートマト入り:

略して丘ポモ)は過疎地を有機農業の村にしたいという丘ポモの生産者アントニオさんの

音頭で近隣の農家さんに有機栽培を促し60軒もの農家さんと協同組合を作りました。

 

加工できる施設もつくり軌道に乗せようというときに市場のトマト価格がガクッと下がり、

折角のプロジェクトが頓挫。結局廃業に追い込まれたのが2015年だったか。そのわけは、

中国産が突如イタリア市場になだれ込み、イタリアのトマト農家を駆逐してしまいました。

生き残っている加工用トマトの生産者は一時期の数割しかいなく、イタリア国内産のトマトで

加工された水煮缶・ピュレや弊社も販売しているパッサータ(二倍濃縮)製品が中国産で

賄われるようになり現在に至ります。

 

イタリア人がイタリア産のトマト製品を食べていない、が今の現状です。

 

市場の原理、安くて質が良ければ広まるのは自然の流れですが、トマト

加工品は栽培の仕方から完成品になるまでに我々の想像もできない闇があると言われています。

 

 

 人は購入し、蓋を開けそして味をみて料理をするのでしょうが、シンプルなもの(水煮や

パッサータなど)ほど品質の違いはわかりやすいですがトマト以外の調味料を加えたソース類や

ケチャップなどはちょっと味見しただけでは原料の質の良しあしが簡単にはわからなくなり

ます、特に子供が大好きなケチャップやトマトソース、これらを生のトマトや水煮や

パッサータで手作りすれば問題ありませんが味付けされたものはよっぽど吟味しないと

どこでどのように作られた製品かはわかりにくくなります。

 

 品質は価格に反映されるので選ぶときには製品に見合う価格なのか原材料代や加工料人件費、

運賃が正当に反映されたものなのかを判断して購入するようにしたいものです。

加工品の原料の由来や製造の仕方を知るのはオリーブオイル以上に難しいトマト加工品です。

可能な限り手作りすれば食品による健康へのダメージを減らすことが可能です。

 

 これらの問題も踏まえ弊社そして地元会津のコラボパートナー会津自然塾さんと会津の

トマトで加工製品をつくるプロジェクトを立ち上げました。

 

それ用の種も農家さんに蒔いてもらいました。さてどうなるか?まずはやってみる。

そこからです(れ)