★5月号 『食品の劣化と腐敗』 ~油の酸化~

2026年5月号通

 『食品の劣化と腐敗』 ~油の酸化~

 みなさんがオリーブオイルに求めるものは何でしょう?

サラダやパスタにはやっぱりオリーブオイルでしょう、レシピ本にオリーブオイルと書いてあればもちろんオリーブオイルで料理するでしょう、またはオリーブオイルは体にいいからでしょう、などなどいろいろな理由でオリーブオイルを選択されているかと思います。

 

オリーブオイルにはランクがあり最高品質のものをエキストラバージンという冠をつけることが出来ます。

しかし、世の中に数多あるエキストラバージンですが本物(高品質)はわずかです。

一昔前は開封したてのオイルの味と香りでランクが分かりましたが最近はわかり難くなっており、味や香りが調整されており、それなりに良いのでそれがいいものかどうか、疑問すらわかないと思います。

 

 たまたまなんですが、大メーカーの開封したエキストラバージンオリーブオイルを納戸に置きっぱなしで数年経ってからその存在に気づき、匂いをかいでみると仰け反りました。

酸化臭がない!

まだオリーブの香りさえします。

これは大変だと思いました。

もちろん賞味期限からも数年たったものがです。

 

時間による劣化の形跡がないのは明らかにおかしい。

賞味期限内ではそれに気づくことはありません。

開封後数年置いたものの差で本物かどうか、わかる!と思いました。

 

高品質のオリーブオイルを見分けるのにラベルや味や香りでは全く参考にならないので、どうしたものかと思っていましたが、この開封後数年たったものでそれが明らかにわかるので、会津クチーナの料理教室では香りのテイスティングをしています。

 

先月の中国地方、関東地区のセミナーでは参加者にその違いを確認してもらう香りだけのテイスティングをしました。弊社の開封し数年たったものと、例の納戸に置きっぱなしだった他社大メーカーの開封して数年たったものの2種類。

もちろん弊社のオイルは酸化しまくった鼻を近づけたらぎょっとする匂いです。

 

そして私が驚いたのは、その“酸化臭”がどんなものかを知らない人がものすごく多かったことです。弊社の2018年に開封した(6年経過)わら一本のはっきりわかる酸化臭がわからない人がいるのです。

そして大メーカーの同じように開封して6年以上たったオイルに酸化臭がない。これおかしくないですか?

そして半分以上の人がそのおかしいことがピンとこない。

 

日本国民は、劣化した食品のにおいの区別がつかない、これは大問題と思った次第です。

 

腐敗したもの、腐敗する手前のもの、発酵の匂い、熟成した匂い、劣化した匂い、酸化した匂い。これをかぎ分けることができない。

 

大問題じゃありませんか?

 

そもそも一般の食品には酸化防止剤、安定剤など添加物で食品がそう簡単に劣化しないようになっているため、腐敗臭や酸化臭をかぐ機会がないのかもしれません。

 

野菜や肉や魚の原材料から料理をしなくなっているのにもそれに拍車をかけているのかもしれません。

あともう一つ柔軟剤や洗剤に含まれる強い化学物質由来の香りによる嗅覚の麻痺にも一因があるでしょう。

食品は劣化し腐敗、酸化する、当たり前のことを感知できない人がいる、これを思い知らされた連続講習でした。

 

今月5月賞味期限の弊社販売のおいしいアンチョヴィが4月の時点でまだ在庫がありましたが、賞味期限間近の今が、旨味が最高潮になりおいしいです。

数日で賞味期限が来ますが私は値引きせず完売にチャレンジしました。

発酵食品であるアンチョヴィはオリーブオイル・オルチョと共に熟成することにより旨味(アミノ酸)に分解されます。瓶下には魚醤が沈殿しているのも見えます。

賞味期限に到達したから、このアンチョヴィは急に食べられないものになるのでしょうか?旨味がピークにあるこのアンチョヴィの価値を確認するには開封し食べてみなければわかりません。

 

賞味期限というものは必要なものかもしれませんが、食品の特性を知る、それは料理するや何度も食べる経験が必要です。

 

これはどうしたら養われるのか、これを読みわからない方は私に問い合わせてください!

 

わからないままにするのはかなりまずいと思います。(れ)