★4月号 オルチョ輸入25年・出会いと別れ、そしていま

2025年4月号通信

 

コラム内容

オルチョ輸入25年・出会いと別れ、そしていま

 

2000年に会津若松の自宅6帖間の自室を事務所にオルチョの輸入を始めました。

正確にいうと1999年秋に収穫し搾油したオルチョを千本予約したのがはじまりです。

 

オリーブオイル屋になると決め、

その年にオルチョと出会い、

その後料理修業を経て3年のイタリア滞在から帰国しました。

 

輸入の「ゆ」の字も知らず始めてしまったのですが、

イタリア食材業界人に「まずは輸入商社にアルバイトでもして貿易を理解してから始めたら?」

と言われましたが、

千本予約後だったのでそんな悠長なことはしていられない!と思いながらも焦りました。

 

運よく東商の貿易講座を受講し大枠の輸入の仕組みを学びました。

 

会津でやることに例の業界人には鼻で笑われましたが、講師の先生には、良くしてもらい、会津(地方)でやることを後押ししてもらいました。

 

その後、実務で輸入そのものを学びました。

必要な書類を提出する度にあたふたしながら、頭を抱えながら準備。

 

結局1000本は無事会津に届きました。

初年度のその千本も、今思い返すとぞっとします。

というのも私は3千本ぐらいなら売れるだろうと勘だけで注文しました。

 

そうしたら、生産者のジョバンナさん『レイコ、最初は千本にしておいたら?』と言うのです。

それもそうだなと思い(笑)千本に変更したのですが届いた後が大変でした。

 

500ml、1種のみで始めましたが、全く売れません。

 

百貨店、高級食材店を主に営業しました。

まず初めに店舗の社長さん宛に手紙を書き連絡を待つ。

 

なんと、2店から連絡がありました!

 

誰もが知る高級食材店にあたかも最初に取引成立か!と思いながら勇んで行きましたが、

けんもほろろ。

2店舗とも全く同じ反応。

 

『女性一人でやっているのよね?』

『会社じゃないんですよね?』

『電話するとこの電話は使われておりませんってことがよくあるんだよね』

『明日千本納品できますか?』

 

こんなことを言われました。

そうかそうか、そういうことなのか、と世の中の断片を見せられました。

このラインでは相手にされないのか、と方向転換。

 

オルチョのキーワード『オーガニック』『混ぜ物のないオリーブオイル』『一軒もの』など、

この条件・個性を誰が求めるのか?を考えた時に自然食品店さんが頭に浮かびました。

 

私はイタリアに行くずっと前に、自然食業界に身を置いていたので、古巣に戻るのか・・・

自然食品店と言ったら、しなびた大根が売っている異質な雰囲気、暗い、、、と思っていましたから。

 

しかしながら背に腹は代えられず、かなりの年数その業界から離れていたので知人に勧められた3店舗に同じく手紙作戦で営業をしました。

 

数日後、こちらから電話し訪問の許可をもらう、このような作戦です。

たいていは断られました。

その中でやっと、やっと話を聞いてもいいよ、と言ってくれたのが

西荻窪の長本兄弟商会さんの社長ナモさんでした。

 

私が電話口で話そうとした途端、

「わかんないから来てよ、もの持って来て!」と言われたのです。

威勢のいい電話口の社長(ナモ)さんでした。

そして訪問すると、私の話をよく聞いてくださった(涙)

私は当時、全く知らないお店でしたが自然食品店のパイオニアのお店だと後から知りました。

 

そのナモ社長、そして奥様の京子さんが一昨年、昨年と続いて天に召されました。

残念でなりません。

 

大恩のあるお二人がいなくなり、次の世代に受け継がれたお店、そうやって人から人へ続いていく、を偲ぶ会に参加し思いました。

 

25年やってきたからこそ、色々な出会いと別れがありそして、それが継承されていく、そうでない場合も見てきました。

オルチョを介してたくさんの人に出会えたこと、

たくさんの現象を見せてもらえたことは私にとっての大きな財産です。

 

これからもどこへどのように繋がっていくのでしょうか、

それはわかりませんが一日一日を大事に一生懸命に生きる、

 

これが繋がり未来になると確信しています。

 

これからも末永くどうぞよろしくお願い申し上げます!   (れ)

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