イタリア2023夏報告その①イル・トルキオ(ワインとオレガノ)

イル・トルキオとは

 

ワインを搾汁するときの器材のことを言う。

 

 

円柱の大枠は、

木製の細い棒状の木を縦に連ね、

 

上から圧をかけると、

合間にある空間から絞り出された果汁が染み出るようになっている。

 

 

ワインづくりには欠かせない器材。

 

年代物の大きなトルキオが

門をくぐるとすぐ右手に見えてくる。

 

 

それを名にした

 

アントニオさんの農業事業体の名前、

イル・トルキオ!と覚えてね。

 

 

 

アントニオさんと言えば、

野生のオレガノの生産者。

 

 

生産者と言っても、

栽培しているわけでなく、

 

山に自生しているオレガノを摘んで

それを自然乾燥し処理しただけのもの。

 

 

うちでは2003年ぐらいから取り扱いしており、

密かに人気のアイテムです。

 

無いと困る!

 

 

次に

 

丘の上のポモドリーノ。

 

これはチェリートマトの水煮を

パッサータ(トマトを2倍濃縮し漉したもの)と

一緒に充填した、ちょっとないアイテム。

 

 

これも人気のアイテム。

 

中のチェリートマトは

加工用(加熱しておいしい)のミニトマトで、

 

チェリートマトの皮から出汁がよく出て

冬場のスープづくりには欠かせない。

 

 

オレガノも最後の風味付けとして

地味~~~ですが、

 

イタリア料理にはなくてはならないアイテム!

 

 

そのアントニオさん一家が

数年前から大転換している。

 

 

息子が大学で醸造学を学ぶようになると共に

ぶどう栽培に力を入れるようになり、

自ずとワイン製造の道へ。

 

 

うちでも2019年から赤ワインの輸入を始めました!

 

 

アントニオさん一家は

農家レストランを営んでおり、

 

大都市からかなり遠く離れた離れ小島のような土地柄にもかかわらず、

 

遠くからわざわざこのレストランめがけて来る人が絶えない

人気の農家レストランなのです。

(レストランの名前もイル・トルキオ)

 

 

妻のジェラルディーナの料理は、

イタリア家庭料理のようでもあり、

 

しかしその域を超えたレベルとでもいうか。

家庭料理兼・ナポリ料理を味わうことができる。

 

おいしいよ!

 

 

さて、

 

そのワインですが、

 

 

いろいろ書いているので過去のブログも興味があればお読みください。

アントニオのブドウ収穫初体験(2019年10月)

アントニオのワイン(2019年12月)

手強いシンチェーロ(2021年4月)

 

 

ワイン初心者なんで、

 

まだまだ分かっていない私が書いたブログです。

 

 

2017年産のシンチェーロ(赤)がすごくおいしく、

 

 

それまでは、

農家レストランのテーブルで何も考えずに食事とともに飲んでいた赤ワインが、

(つまりあまりおいしくなかった。普通のテーブル赤ワインの域)

 

 

それとは一線を画す味に大転換した

2017年産にいたく感動。

 

 

同じ人が作ったのにこんなにも違う!と

オリーブオイルとまあ同じだが、

 

 

つくり方でこんなに変わるのかを思い知り

輸入を始めた。

 

 

2017年産の赤(シンチェーロ)を2019年から販売開始し、

5年経った。

 

 

5年という時間が経ち、なんとなく

ワインのこともわかりつつある。

#と言ってもいいよね

 

しかしまだまだだ!

 

 

「ただ、ワインを飲む」、と

「自分で輸入したものを人に売る前提で飲む」は

 

全く違う。

 

 

衛生上・輸出輸入上、販売上、

 

 

アントニオのワインを売るのはまったく問題ないが、

仕入れたものを人に渡すというのは

 

責任が重い。

 

 

ただ、おいし~、

いいものだから、って

 

渡すわけにはいかず、

 

 

また、

いくらいいものでも、

おいしくなければ誰も買わない!(笑)

 

 

これを思い知らされているのですが、

一番のネックは、

 

 

赤ワイン。

 

赤ワインは、そうそう簡単においしくなるもんではないということは

すご~~~~くよくわかった。

 

 

特に

赤ワインは、鉱物に似ているのではないか?

 

石くずにしか見えないなんの変哲もない石(鉱物)が

磨けば、

 

もしかしたら宝石なのかもしれない。

 

 

宝石だったとして、

磨き方次第で価値は変わる。

 

と同じで、

 

ワインは、磨くのではなく、

土壌の性質、ぶどうの質、気候、醸造の工程、発酵工程、輸送、

 

これがベースになる大事な部分なのですが、

それを経て更に、

 

 

「時間」というものが必要と言うのがよくわかった。

 

アントニオの赤ワイン「シンチェーロ」は

 

2年熟成させてから出荷していたが、

年産(ぶどうの出来と気候)にもよるが

 

2019年産は2年の熟成では若い。

開封した時の1本はすごく良かったのだが、

 

 

その後に開けたものは若い味わいが多く、

時間がたつごとに変化し、

 

いまも変化の過程です。

 

 

最初の2017年産、そして次の2019年産と

赤ワイン(アリアニコ)の時間の必要性を学んだ。

 

 

さて、前置き長くなりましたが、

7月にイル・トルキオに行ってきました~

 

時間がなく、

ほんの少しの時間でしたが、

 

 

昨年秋の訪問時に、

 

新しいワインづくりに挑戦している息子オルランドに、

今回は、

出来上がったワインのテイスティングをしたい!

 

とお願いして向かったモンテカルボイルピーノ(カンパ―ニア州)

 

 

オルランドはオレガノの収穫の真っ最中、

 

 

今年はぶどうの被害もだが、

長雨で

オレガノも1か月以上も遅れての収穫開始になったそうだ。

 

収穫、といっても自生のものを摘むので、採取か。

 

1週間ぐらい前から採取し始めたオレガノを見せてくれた。

立派~~~~~

かわいい!

 

 

こちらがアントニオさんの息子オルランド。

2023年産のぶどうは残念ながら5-6月の長雨で全滅だときき

恐る恐る行きましたが、

 

 

オルランド元気いっぱい。

 

 

息子である彼の存在は父アントニオにとって大きい!

 

オルランドは、

現在、

 

イタリアのオーガニック認証団体「ビオアグリチェルト」の検査員と兼業している。

 

 

大学院で醸造学を学び、

また在学中にソムリエの資格も取り、

 

着実に醸造家の卵として歩み始めている。

 

 

私は、彼に言ったのです。

 

 

「何も考えずに、ただ食事にはワイン」

「食事にはなくてはならないアイテムワイン」

「飲むのが好きだし、おいしい食事にワインはつきもの」

「2017産のシンチェーロが余りに美味しく輸入することにしたが、

深く考えていなかった」

 

「ワインについては全くのド素人」

 

「しかし私のように飲むだけ専門で

まだ私のようにワインについて理解していない人がまだ大勢いるはず」

 

「それならイルトルキオのワインを通じ、

私が一から学ぶ」

 

「そして同じような人と一緒にワインを一から勉強するつもりで

いろいろ教えて!」

 

「ワインの一から教えて」

 

と、昨年の秋しっかり彼に伝えてきた。

 

 

彼も快く私の想いを受け留めてくれ、

丁寧に醸造のことを実地で教えてくれた。

 

 

見ながら、体験しながら教わり始めた私。

 

 

今回は、昨年の仕込みを踏まえ、

 

 

新しいワインアイテムが4つもあるのでそれが飲みたーーーーい、

とまずはカンティーナ(醸造場)に行き在庫の確認(笑)

昨年2022年秋・私も立ち会ったファランギーナ!(白)

 

いろいろ出来上がってた!

これはファランギーナのスプマンテ(発砲のクラッシック醸造)

首に澱を溜めている最中、

 

 

大体出来上がっているとのこと

いい時に来た!

 

 

6種・左から

Coda di volpe2022/白・コーダディヴォルペ

Falanghina2022/白・ファランギーナ

Falanghina2021 metodo classico /白・ファランギーナスプマンテタイプ(発砲)

Aglianico Rose‘2021/ロゼ・アリアニコスプマンテタイプ

Aglianico 2022Sincero/赤・アリアニコ・シンチェーロ

Occhio del Diavolo2020/赤・アリアニコ・オーク樽醸造

 

シンチェーロやファランギーナもありますが、

まだ日本には来ていない2022産を試飲。

 

 

どれもおいしい!

 

発泡物は酸味が結構立っておりドライ。

 

ふ~~~

なるほど、こうなるのか!

と秋を踏まえての私の感想。

 

こうなるのか~。

 

 

このシャンパンタイプのスプマンテについては

また別の機会に詳しく解説したいと思います。

オルランド、慎重に1本1本抜栓していきます。

 

 

一つ一つ、みなで味わい、

あーだこーだと、皆でわいわい!

 

たのし~~~~い

 

 

私も、こんなにまとまったワイン(アルコール)を飲むのは久しぶり!

 

 

つまみは、タラーリとサラミ類だけ。

ちなみに私、生ハム・ハサミ類食べられないので、

 

タラ~リだけとおしゃべりで、6種ものワインを楽しめた!

 

母・ジェラルディーナ作のタラ~リ(アントニオとジェラルディーナは3年ぶりのバカンスで不在)

こちらの生ハム・サラミ類、自分たちで飼育した豚の自家製です。

この人たちは何でも自分たちで作ってしまう。

 

すごいんだ~

 

私達3名とオルランドと彼の彼女のアレッシア5名で

こんなに飲みました(^^;)

 

 

最後のアリアニコ・オーク樽使用は

いわゆる樽の癖が感じられることもなく、

 

 

しかしいつものアリアニコ(シンチェーロ)とは違う。

重厚と言うか、

 

さらに深まった味わい。

 

 

樽に入れるも

賛否両論ありますが、

 

 

いいよ!

私は好きだ!

 

この位のほのかな風味なら!

 

樽に入れるとこうなるのか!

 

な~んて生意気なこと言っていますが、

一つ一つ経験。

 

 

ただ、これがどのワインにも通じるってわけではないので、

その生産者ごと、ぶどうの品種ごと、土壌ごと、発酵のさせ方ごと、

 

ぜ~んぶ違う。

 

 

一期一会。

「はじめまして」そして「さようなら」

 

なのだワインと言うのは!

 

 

深すぎる~~~

でもね、うんちくこねくり回すでなく、

 

 

ワインは食事をおいしくする役割が一番。

 

 

料理を食べながらワインを飲み合わせ、

眉間に皺寄せ、

 

考えて飲むものでもないと私は思う。

 

 

ワインは、食事を楽しくする、

なんといっても

 

人と人のコミュニケーションを膨らまして潤滑させる

人と人とをつなげる役割がある。

 

 

8月5日の会津クチーナのワイン会でもそうだった!(爆)

素面(しらふ)の私と本田悠ちゃん、

 

私達は悟ったこの時!

 

 

と、

 

ワインとは、そういうものです。

 

 

アントニオさんのワイン、

赤のシンチェーロ(アリアニコ2019年産)

白のファランギーナ(2021産)

 

未だ飲んだことない人、

是非飲んでみてほしい!

 

ご購入はこちらから

アサクラオンラインショップ

 

販売店さんは

会津若松/ヒューマンハブ天寧寺倉庫(美工堂)

東京/五風十雨 GAIA御茶ノ水店代々木上原店   

福山/ナチュラルマーケットIKO木之庄店

にてご購入いただけます。

 

記載漏れがありましたらメールでご連絡下さい。

 

 

また、昨年秋のイタリア・イルトルキオ訪問記は

アサクラCHANNELでご紹介しています。

 

南イタリア農家レストラン厨房拝見

南イタリア赤ワイン仕込み拝見

イルトルキオからワインを(イルトルキオ製作のビデオ)

 

以上で~~~す

次回は「小麦の収穫」を読んでいただく予定です。

 

チャオ