★12月号 チェンジの時に見えたもの(会津クチーナにて)

2025年12月号通

チェンジの時に見えたもの(会津クチーナにて)

 

ドカ雪もですが、思考のチェンジが次々とやってきます。

わがホームグラウンドの会津若松で料理教室をしかれこれ十年になります。

ここでも思考のチェンジがやってきました。

 

教室開催当初から能力の高いサポート(助手)本田がいましたが、その本田が辞めることになりどうしようか?と思いながら今一人でやってみることにチャレンジしています。

 

元々出張料理が中心で基本私一人でやります。

自宅講習に助手がいるというのも珍しい普通の料理教室とは真逆です。

 

一人になってよく見えてきたことがたくさんあります。

 

一番は参加者さんの学ぶ機会を奪っていた、ということです。

料理法だけ学んでもらえばいいと思っていましたから。

 

しかし料理する上での大事な部分こそ(助手がやっていたこと)学んでもらわねばと気づきました。  

 

台所仕事の基本が出来ない人が多く野菜の洗い方、切り方、食器の扱い方や洗い方、何もかもです。

 

台所仕事の基本ができないのはいいお手本を見てこなかったからです。

 

たぶん共働きでお母さんも働きに出て、台所仕事を端折り家族に食べさせることに精一杯だったのだと想像できます。それを否定はしません。

 

ただ、子供は全て大人の真似をします。親はそのまたその親から、伝言ゲームで人としてのたしなみを身に付けていきます。  

 

台所仕事をはじめ家の営みというのを見てこなかった、受け継いでこなかった。

 

会津クチーナの助手がやっていたことを生徒さんにやってもらうようになり、それが顕著に見えてきました。

指摘しその意味を説明し、改善できるようにし、その方の台所仕事や食事を作る行為の意識を、より良く進化してもらえるように、と思うようになりました。

 

食材は、私たち人間が栄養成分を全部取り揃えたとしても作り出すことはできません。

 

太陽や土や水や自然が作り出すものです。それらがないと私たちは生きることができません。

 

まず材料に敬意を払い無駄を省き、大事に丁寧に料理することの大切さをも教えたい、ただ口で言うだけだった今までですが、実際にやってもらって体で覚えてもらわないとわからないんだな、と教えていて思います。

 

 水道の蛇口から出る水の出し方にしても、蛇口から出る水の量と必要とする水の量とのバランスを推し量ることができない人がほとんどです。

それは全て五感を使って感覚で蛇口をひねり水の適量を出せばいいだけのことですが、その適量がわからない。

私はそこで『水の出し過ぎ』に注意するわけです。

 

それはもったいないことはもちろん、野菜を人間が生み出すことができないと同じで、水は無尽蔵にあるものではないことに気づいてほしいからです。

水道料金を払えば水はいくらでも使うことはできますが、水は自分だけのものではないという意識を持ってほしい。

 

水は貴重だという意識で行動を出来る人を育てたいと思っています。

 

野菜も食べられる部分まで捨てる人が多いです。料理番組などで料理人や料理研究家の多くがそうしているからです。

 

そうするのを見てきたからです。

 

食材や水や食器を大事に扱うことは自分の精神や心をも整えます。

 

家全体でも必要なものだけに囲まれる日々は気持ちがいいです。

台所からその意識をすることにより住まいはもっと“気”のいい整った場になります。自分に必要なものは何か?それを大事に思

るような人になるよう、私は参加者さんに小言を事細かく言い続けるつもりです。

 

自分(家族との)だけの空間の台所と住まい。

 

そこでの所作、それを進化させる大きなチャンスです。

来年の教室のスケジュールももうじき発表予定です。

 

自分自身を、更に進化させるために会津にいらして下さい。              (れ)

 

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