コラム内容
イタリア現地教室を終えて
長いイタリア滞在から帰り、すぐ話題の邦画を見てきました。
歌舞伎を題材にした内容、しかも三時間弱の長編。それで一気に日本モードに戻りました。
さて、イタリアでは5年ぶりに現地料理教室・産地見学を開催しました。
私自身も受け入れる側の生産者も久しぶりで勘を取り戻すのに少々時間がかかりましたが、4班ありましたのでだんだんと勘を取り戻すことができました。
今回はオリーブオイル生産者のアックアサンタ(アントネッラさん)わら一本(マイケルさん)豆と麦(クリスチャンさん)トマト・オレガノ・ワインのイルトルキオ(アントニオさん)を巡りました。
4班ほぼ同じ行程で回りましたが、各所4班が約10日ずれの訪問になり、このわずかな期間にも拘わらず畑の様子が一変するのには驚きました。
夏至前の日照時間が最高潮になる時期でしたのでそれが顕著でした。
オリーブは、花芽が付きだしたのが第1班でしたが→花が咲きだし→花が散り小さな実がなりだしたところまで通しで見ることができました。
麦については穂がちょびっと出始め→穂が半分ほど→完全に出穂→風にそよぐと麦穂がしなるようになり始めるまで。チェチ(ひよこ豆)に至っては、小さな赤ちゃんのような枝葉→しっかりとした木に→花芽が付き→最後の班は鞘がしっかりついているのを見ることができました。こんなにも短期間に生育するとは初めて知りました。
レンティッキエ(レンズ豆)も同じく。弱々しい芽から→つるが出だし→花芽→開花。
ブドウは新芽が出始め→花芽が付き→開花→ブドウの房が付き始める。
このように植物の生育状況を一か月半かけて見ることができたこと、生産者の説明を繰り返し聞いたことにより私にとって新たな学びになりました。
これは想像していなかった恩恵です。
当たり前ですが、植物は片時も留まることなく生育し続けるということに感動、また折々で見せる植物たちの姿の変化、形、色合い、匂い(オリーブの花の香りはレモンの花の香りにそっくり、またブドウの花の香りも初めてかぎました。
いままで嗅いだことのない香り!しかもうっとりするような香り!!!)それぞれの変化を五感で感じることができた貴重な体験でした。
植物の変化もすごいですが、もう一つすごかったのが人間。
健康状態が旅を楽しむ為の一番の条件ですが、みなさん元気元気!時差と長旅による旅の始まりの体調変化はありましたが、時間が経つにつれ皆さん元気になっていく。
これは生産者それぞれの大地の影響、と私は見ています。もちろん食べるものも大きく影響します。
これは2006年からこの現地教室を開催しており食べることがいかに旅を左右するか重々承知しています。
その為に食事内容にも受け入れ先ともよく相談し決めています。
生産者宅では、高品質のオリーブオイルベースで野菜中心の献立、その甲斐もあり、みなさんどんどん元気になる様子。
この現地ツアーは見聞や経験だけでなく身体を整える役割もある、と思います。
なにせ私自身が45日間のこの現地教室のアテンドをして
帰国しても体調不良になることなく元気でいること、これが一番の証明と思います。
(れ)
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