★11月号 継続がもたらすもの ~自然栽培20年アサクラオイル~

2025年11月号通

継続がもたらすもの ~自然栽培20年アサクラオイル~

 

アサクラオイルの製造がひと段落し、ホッとしたのか風邪をひいて2日間ダウンしやっと回復したのでこれを書いています。

 

28年前にオリーブオイルのすばらしさに開眼、(味の良さや調味料としての役割など)同時に今までの日本でのオリーブオイルとの違いの理由に愕然とし、輸入する!と決めて25年前から販売を始めました。

 

輸入3年目にオルチョが無農薬ではなかったことがわかり、有機栽培が必ずしも無農薬とは限らないことを知ります。

(2008年からオルチョも無肥料・無農薬)そこで知ったのが自然栽培という概念。

 

農薬を使わねばならない原因は、土の中にあると知ります。土壌が土壌として機能し難くなると虫の発生や病気になる。

 

初めは?でしたが、そういう栽培をされた野菜を購入し食べ続け『野菜の見た目』『味の質』『食後感』でだんだん自分の中に自然栽培というものが腑に落ちていきました。

 

そして自分でやるしかない、と思考をチェンジし中部イタリアのアブルッツォ州のペンネで2005年から肥料を使わないオリーブ栽培を開始しました。

丁度無農薬でリンゴを作る木村秋則さんがブレークしていたこともあり、各所で自然栽培『無肥料』で栽培するための勉強ができる機会がたくさんあり、それにも出まくりました。

 

最初の頃の畑は、今でも目に焼き付いています。雨が降るとオリーブ畑に入れない日が一週間以上続きました。

 

土の色はベージュでどろどろ、乾くとカチカチの粘土質。50㎝掘って地層を見てみるのに掘るのも大変でした。そして木の幹をよく見ると、幹の表層に尺取虫(茶色い芋虫)が点在し、弱ったオリーブには必ずそれがいました。

 

このままではかなりの木がやられる、と思ったものです。百年以上の老木がほとんどのオリーブ畑ですからしょうがないことだとも思っていました。

 

オリーブ栽培では下草が一定の長さに伸びると刈るのが普通ですが、刈らない方がいい、を知り実践。初めは伸び放題で大変なことになりましたが、それも年数を経て刈らない恩恵がすごいことを現象を見てわかりました。

 

収穫時に網を畑に広げるのでその関係上、収穫直前で一回草を全て刈りますが収穫後すぐから翌年の収穫開始まで一年間草をぼうぼうにするわけです。

 

天候と降雨量でその年の草の種類やら伸びが変わり毎年見ていて面白いです。

 

とにかく無数の植物で畑は覆われ、それらはその年の天候にふさわしい・対応するための下草で全部が畑に必要なものと思えるようになりました。

 

それを途中で刈り取ってしまうなんて本当にもったいない、天候と草は連動、そしてオリーブと共存していると感じます。

 

一番変わったのは土です。

 

ふかふかの土、あのどろどろのベージュ色から土らしい黒みがかった土に、カチカチだった土が20年でこのように変わったのは本当に誇らしい。

 

雨が降っても何日も畑に入れないこともなくなりました。あの尺取虫もいつの間にかいなくなりました。木々は全部元気で、弱って寿命がわずかな木は一本もありません。老木なりにずっしりと威厳のある木々で埋め尽くされ、自慢の美しいオリーブ畑です。

 

これらの歳月は、いろいろなことをもたらしてくれました。

 

知ってやってみて、そして継続し、自分が想像していなかった見たことがない風景をいま見せてもらっています。

 

これっ!と信じたこと、ピンときたものを深掘りし実践、それを継続する、そんなものを一つ見つけられたら人生はより充実したものになる、と実感しています。

 

これもたくさんの人々のサポートのお陰です。

 

アサクラオイル2月頃入荷予定です。

 

20年目のアサクラオイルお楽しみに!                    (れ)

 

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