なんとなんと、
今年で20年目になるアサクラオイルの収穫製造、
無事終了。
2005年に畑を取得、
自分たちで最初に果実を収穫したのが2006年、
今年で20回目なのです。
ただ、
正しくは18回目のオイルリリースになる。
2014年と2016年とオリーブハエの被害で収穫ゼロの年があった。
ゼロよ!
2014年の初めての時は茫然。
ショックなんてえもんじゃない。
イタリア全土がオリーブバエの影響でオイルがとれなかった年。
その翌々年もだから。
全国的にそうだったのではあるが
アサクラ農園の土壌も何かの変化があった年、
なのでは、と今になって思う。
その後ぐらいから、
今まであった果樹にはよくある、裏年と表年という
出来る年と出来ない年、がなくなったように思う。
毎年収量が安定してきた。
・ ・ ・ ・ ・ ・
さて2025年。
到着早々なんと暴風雨。
しかも寒い。
農園からも見えるアブルッツォ州のシンボル、
グランサッソ(山)も雪で真っ白。山全体が雪で覆われ冬モード!!!
3日間雨が降り続き4日目にやっと晴れた!!!

1週間前までに
数日かけて、ぼうぼうの下草を刈り、
このように網を張り、実を落とす準備。
ちなみに下記は5月連休後の畑の写真。
下草ですでに1m以上にも伸びていた。

↑↑↑ 草で木が覆われているのわかるかな。
暑くなるとともに更に夏ならではの草が生い茂り、凄いことになるんです。
粘土質系の土壌のこの辺り一帯ですが、
うちは超絶水はけがいい!
2007年から畑の有機物は全て土壌にお返ししているので(土の中に漉き込んではいませんよ)
土はふかふか。
てなわけで、
無事収穫開始!
オリーブも健康そのもの!
 
 
雨の後なので気持ち~
果実もとってもとってもいいかんじ~~~
10m×10mの大網を8枚使い、
木の下に次々に敷き、
下記のように
棒の先端に熊手のよううなものがついており、
それがパタパタ~っと作動し
果実を落とす。

#見た目は軽そうですが、この棒、結構重い(5㎏以上はあると思う)
昔は手に小さな熊手を持ち(わたしはいまでもそれ)
1本の巨木なら、3~4名がかりで20分はかかったかな~
それを今は1人か2人で15分ほどで終わる。
以前のこのパタパタは、
実に傷がついてしまうタイプしかなく、
この、傷つかないタイプが出始めたのをきっかけに、
うちもこれを使うようになった。
(動力はディーゼルで排ガスが出ない仕組み)
同時にハシゴ禁止令も出て、
このパタパタを使わざるを得なくなったというのもある。
しかし、
うまいこと実に傷をつけないで枝から外す優れもの!
20年たちかなり収穫の仕方も進化しているが、
しかしこれでもまだまだマニュアルの域。
#枝や幹、土壌に負担をかけないため
大規模オリーブ農家は、こんなんじゃ
とても追っつかないので、
とんでもない方法で収穫している。
うちも完全手作業の時の半分の時間と労働力で
収穫できるようにはなったが、
もっと進化したタイプは、そんな比じゃない。
↑見た?
これをどうとらえるかは様々だが
#工業製品製造過程にしかみえない
廉価品はこうやって収穫されたものかもしれない。
うちは手作業で地道に。
それは、
20年かけて畑の生物多様を育み、
微生物群も豊かに、
この土地を取得したばっかりの時とははるかに進化したものになっている。
何しろ美しく、気持ちがいい!!!
それは畑を歩けばわかり、
以前は粘土質のカチカチの、雨が降るとどろどろになり
一週間は畑に入ることができないような
詰まった畑だった。
20年肥料を施していない、と前の持ち主から言われてはいたが、
結構、厳しい畑だった。
傾斜がきついので、
雨が降ると表土も流れ落ちる
非常に痩せた土地だった。
それが下草を刈らないという選択を2007年からし、
見事に18年間でふっかふかに変わった。
以前とは畑の全体の雰囲気が変わり、
近隣の畑が20年前と何ら変わっていないのに、うちだけ浮いてる(笑)
そのお陰で動物たちがたくさんやってくる、
自生の草がたくさん生え、
生物多様な土地に変化。
大きなトラクターは、年に一度草を刈りとる時だけ。
重い重機で土を踏み固めないようにしている。
土壌表層にいる微生物群や
土壌の粒、一粒一粒に意味がある!
土壌は、オリーブたちの温かく心地いいベットのようなもの!
植物は、土壌そのもので出来ると言っていい。
天候も常に彼らに寄り添い生育を促す。
だから木と土壌には人為的な薬品や肥料などは施さずに
そこにあるものとその土地の気候にお任せして育てていただく。
そんな意識でオリーブを私たちは育てている。
その積み重ねがその年のオリーブ!

毎日、このように収穫し、
小さな通気口のあるコンテナーに入れ、

夕方それらを全部集め、
大きな箱に詰め替え、

搾油所まで、
毎日、毎日、運ぶ。
搾油所はこんなかんじ。
非常に衛生的。

搾油所さん、昨年マシーンを一新したにもかかわらず、
不作でオリーブが集まらなく、
今年も、みなさんが収穫し始める前にわたしは早めに収穫するので、
まだオリーブが集まらない時期で、
搾油マシーンを取り扱い若葉マークが今年も引き続き、
搾油所オーナーさん、機械操作に慎重。
ということで、
搾油所内は基本、出入り禁止(泣)
初日だけ入れてもらえた。
出てきた今年初のアサクラオイル!!!

ここから少しだけとって、
味の確認を(毎日)

辛~~~
苦~~~
実から液体になり、
オリーブちゃん、、なんだかわかってない!(味)
すんごい強烈です。しぼりたては。

一番オイルは、瓶に詰めてもらい持ち帰ります、
さて~~
結局、これを毎日毎日繰り返し
晴れてすべて収穫が終了!
全部で10日間!
そして、通常は
ここでフィルターに通して濾過するか、
または濾過せずにタンクで寝かせてゆっくり中に含まれる
搾油で除ききれなかった果肉を
ゆっくり沈殿させて、上積みをまたタンクに入れて、、、と
デカンテーションという工程がある。
オルチョやわら一本はその工程を経て出来る。
アサクラオイルは、
すぐ瓶詰めへ。
微細な果肉は取り除かずすぐ。
時間がたつと瓶の底に澱がたまることがあるが、
その澱は、自然栽培(無肥料・無農薬)だからこそ、
無駄ではない。取り除かんでいい、それも熟成の手助けになる、
と、医師・三好基晴氏からの助言をいただき納得、
デカンテーションせず、すぐ瓶詰めする。
だからこそ船便でも14℃をキープした
コンテナーに入れなければいけない。
そうでないとこの澱が自然栽培であったとしても、
70℃近くにもなるコンテナー内に入れておくと
澱がオイルの劣化を促す。
濾過しないと船中で、
耐えられないオリーブオイルになってしまうから。
さて、
ちょっと休養を取り、すぐに瓶詰め開始。

瓶は250ml(220ℊ)
オイル充填前はこんな感じ。
プラの蓋を上からガツンと圧をかけて押し込む
合体型。
これは、空になった瓶にオイルを詰め替えられないようになっており、
混ぜ物防止のため。
最近はこれが主流のイタリア、近隣国のオイルも。
日本では、
リサイクル時に、プラとガラス部分を外せないので困る、と
言われますが、
これに関してだけは、こちらの充填の都合上、
変えることが今できない、許して。
ただ、このプラを取り除く方法はあり、
ドライヤー(または直火)でプラ部分を温め膨張させタタオルを巻きひねると取れるんですが、
危ないんで、あまり表立っては公表してません。
ただ、直接聞いてきた方にはご案内してます。
もし試す場合はくれぐれも注意してね。

こちらはラベル。
裏と表に分けてあります。
瓶が小さいのと下部がすぼまっているため、
オルチョのように長いラベルを貼ることができないため。
このラベルは、いろんな文字が書かれていますが、
飾りではありません。
スペースが小さいのでなおさらですが、
法律上、必要最小限記載しなければならないことを書いてる。
今度よく見てみて✌
ラベルを一枚一枚手作業で貼り、
出来たのがこれ、完成形!!!
ここまですべて手作業。

この姿、久々!
ここまで来るのにどんだけの労力がかかっているか。
どんだけ人の手が介在しているか。
感無量!!!
そして
最後、わたしが、1本1本、
手垢がないか、ラベルがしっかり貼られているか、瓶に欠陥がないか、
目視で確認し、最後箱に詰める。
結構大変よこれ。
集中力がいります。
集中していると普通、日本人なら口をつぐみますが、
イタリア人はしゃべる。
その辺り、イラっとするがイラっとしないようにする。
修行だ。
単純作業は、単純なのだが奥が深い
会津に届き毎回些細な問題が起こるのであるが、
その起こる現象と今やってる作業をリンクさせながら、
目を光らせ、果実を摘んでいる時のような『無』ではない。
単純作業だが流し作業にしてはいけない。
一本一本入魂(笑)だ。
どんな人の手に渡るのかな、
なんて想像もたまにしながら、
しっかり確認し、一箱一箱積んでいく。
こんな風にね。

今年も収穫はじめをプレミアム(早摘み)、後半戦のをスタンダード
2種リリースするよ~~
わたしは、高品質のオリーブオイルをお届けするのを
使命としている。
地球のヨーロッパという地区の
小さな小さな国イタリア。
そのまたズームしてちっちゃいちっちゃい農園の
オリーブ畑から生まれるオリーブ果実。
その一年に一度だけ実るオリーブは一期一会。
しかも20年という自然栽培という農法で
育まれた土壌からできたオリーブの果実を介していただく液体は
大自然の恵みのエッセンスと言っていいだろうと思う。
そのエッセンスが最高であるよう、
わたしは関わるみんなの協力の元、最善を尽くしている。
そして裏を返せば、自然環境を整えることになり、
地球がきれいになる、点かもしれんが意義がある、とおもってやっている。
そのエッセンス、受け取ってね!
沢山に人に届きますように!!!
そして自然が豊かになることを
一人でも多くの人々の共有認識となる世になることを祈って
アサクラオイル2025年製造リポートの最後を締めくくります。
ここまでお読みいただき感謝!
チャオ
