「先生」と呼ばないで・解禁!

2023年が終わりに近づいています。

 

今年も一年、ありがとうございます!

 

時勢の影響で3年間閉鎖された期間から、

今年は多くの人に再会できた一年でした。

 

 

会津クチーナでの講習・教室にて、

そして

全国の販売店さま・料理教室主宰の皆さまのもとで、

 

またイタリアでも同じく。

 

多くの人と嬉しい再会の一年でした!

 

 

2023年が終わろうとしていますが、

一つだけ今年の内に告知したいことがあり

 

これを書いています。

 

オリーブオイル使い方講習・教室をはじめ

20年以上が経ちますが、

 

私は参加させる方に

いつもお願いしていたことがあります。

 

 

それは

 

 

私を「先生」と呼ばないで。

ってことです。

 

ご存知の方も多いかと思います。

 

 

講習を始めると、

 

 

一応教える立場の私なので

「先生」と呼ばれることも多く、

 

始めた当初、

少々違和感はあったものの、

 

 

そのまま呼ばれるに任せていた私でした。

 

 

 

そうこうしていると、

ある地方での講習会で、

 

 

いつものように「先生」と呼ばれた私が

自分自身に

 

ハッとさせられた瞬間がありました。

 

 

 

自分でいうのもなんですが、

上から目線の「先生」になっている自分に気づきました。

 

 

「先生」って非常に特別な言葉だと私は思います。

 

 

 

学校の先生、

病院の医者を先生って呼ぶし、

政治家も先生と呼ぶ。

 

 

また税理士や会計士、弁護士を先生とも呼びますね。

 

 

また何だかわからないが先生と呼ばれる人もいる。

 

 

先生、って何?

 

 

「先生」とはどういう意味か調べてみました。

 

 

【先生】教師・医者など学識のある指導的立場にある人、

また、そういう人。自分が師事する人に対する敬称。

 

 

ふむふむ。なるほど。

 

 

 

私はその、ある地方でハッとした自分、

違和感はネガティブなものでした。

 

 

先生と呼ばれるようになり、

 

 

日ごとに

上から目線の私、になりつつあったように思う。

 

 

言葉のように人はなっていく。

元々言葉にはそのような力がありますね。

 

 

それにハッとして、

 

やばい、

これはやばい、

 

まずいよ!

 

 

だめだめ、だめーーーーーーーえ!!!

先生と呼ばないで!となったのです。

 

 

講習会がはじまると

主催者さんがまず、「朝倉先生」と紹介するのが常で、

 

 

やめてください~~~

先生とは呼ばないでね、

 

 

「私はオリーブオイル普及人だから」

 

と言うようにしていました。

 

 

そんなのが、いつもの定番で

つい先日まで続いていたのですが!

 

 

今秋のオリーブの収穫でイタリアに行き、

帰国間際に大転換がありました。

 

 

 

私の友人でもあり、

料理の師でもあり、

姉のようでであり、母のようでもあり、

 

 

時には妹(笑)のようでもある、

10歳年上のアントネッラは

 

140年経つ石造りの古民家に住んでいます。

 

 

いま大リフォームをしており、

その為、

古民家から車で15分程のアパートに

 

 

借り住まいしています。

 

 

仮住まいのお隣さんに、

パオラという女性がおり、

 

そのパオラはとっても気さくで、知的で、

 

 

バッチフラワーをたしなみ、

ヨガインストラクターもしており、

 

自然派のアントネッラとはとっても気が合い仲良しです。

 

 

私もその縁で、

パオラにいろいろなことを教えてもらっています。

 

 

ヴィーガンの彼女に、

私は和食をつくり振舞ったそのお礼にと、

 

 

パオラが私の過去と未来をみてくれるという。

 

 

 

そういうの嫌いじゃないので

わ~~~いわ~~~い!

 

 

手を出すと「手相じゃない」手はいらんと(笑)

 

 

それでは、

帰国前日に、我が家でやりましょうとなったのです。

 

いわゆる私はセッションを受けたのでありました。

 

 

 

生れた時から、両親との関わりを中心に、

要所でどのような記憶があり、

感情を持ち、

 

どのように両親と関わってきたか、

 

 

 

過去を振り返りながら、

私の答えをパオラがひな型シートに数字を書き込み埋めていく。

 

 

その数字で私のこれまでを紐解いていく。

 

パオラは、

 

 

なるほど~と、

いちいち私の返事に、

腑に落とすようにうなづきならが聞き、

 

 

私にその時の感情の動きの元を解説する。

 

 

私、

いままで占星術だったり、〇〇術、etc…

 

興味津々でいろいろやりましたよ!

 

 

 

パオラは、

 

今迄それらのどれからも指摘されたことの無いことを

いろいろと言う。

 

 

へ~~~~ほ~~~~と

意外や意外、と聞いていたが、

 

 

父との関わりに不具合があったという。

 

 

確かに、

父には相当反抗していたことを思い出した。

 

 

どちらかというと母との関係性がイマイチで軋轢も相当あり、

 

 

それに煩わされて生きてきたと思っていたのですが!

私のトラウマの大部分は父だという。

 

 

そして驚くのが、

 

 

その(亡き)父と関係を埋めるものが

私が今していることだと、パオラが言う。

 

 

え?

 

 

自分にぽっかり空いたものを埋めるべく、

 

レイコは人にものを教えるということをしているのだという。

 

 

これまでの私は、

そのぽっかり空いたものを埋めるべく

 

自分自身でその道を見い出し、

 

そして

 

自分自身で克服している!とパオラは続ける。

 

 

それがイタリア料理の先生、だと。

 

 

えーーーー

 

 

そうなの?これでいいの?私?

料理の先生をしていることは自然の流れなの!?

 

 

パオラはやさしく「うん」と言う。

 

 

「でもね、パオラ、私先生って呼ばないでと参加者さんに言うんだ」

「私自身、先生という感覚でやってないよ」

 

 

と言うと、

例の上から目線の自分が嫌で、、、のことを言うと、

 

パオラが続けて言う。

 

 

「レイコ、先生ってどういう人のことを言うか知ってる?」

 

私「そりゃ知ってますよ、だけど、嫌なんだよーーー」と繰り返す私。

 

 

するとパオラは私にこう質問した。

 

 

「レイコ、あなたはイタリアに来て

オリーブオイルの良さに開眼したんでしょう?」

 

 

もちろんイタリアに来るきっかけになった日本でのことも

全部パオラに告白済みだ。

 

 

私「そうだよ、その通り」

 

「そしてイタリアで業界の腐敗を見て日本に本物のオリーブオイルを広げるんだ」って

思ったことも全部説明した。

 

 

パオラは続ける

 

「じゃレイコ、

あなたは自分が知ったいいことを

人にシェアするのは好き?」

 

 

私「うん、好き好き!」

 

「オリーブオイルってすごくおいしいものなんだよ本当は!」

「例えば、オリーブオイルをスライスしたトマトにかけるだけで劇的においしいトマトになるんだよ!」とか

「素材に加えるだけ、塩と合わせるだけで劇的に料理が変わるんだよ!」とかね。

 

 

「自分がイタリアで感動したこと全部、日本人に教えたいと思った!」と興奮気味に答えると

 

 

 

パオラは続ける

 

 

「じゃあレイコは人に自分の知っていることをシェアした時、

どんな気持ちになる?」

 

私「そりゃ、理解した人が喜んでくれる姿を見たらめちゃくちゃ嬉しいよ!」

 

 

パオラは確認するように

「レイコは人が喜んだ姿を見て、それに喜びを感じる自分になる?」

 

 

私「うんうん、そりゃもう!最高!」

「みんなが喜んでいる姿を見るのが私の生きる源!」

 

 

そう一気に言うと、

パオラは確信を持った顔で私にこう言った。

 

 

「先生とは、

自分が知っていることを人に伝えた時に

喜びを感じる人のことを言うんだよ!」

 

 

私は、その言葉を聞いた瞬間、

 

涙があふれだし、

 

何故だかわからないが、泣けて泣けて泣いた。

 

 

「じゃあ、私は先生なの?」

 

 

「イタリア人のしかも最高に料理上手な2人を前にして

日本人の私がイタリア料理の先生って言うのもなんですが…」

 

 

と涙でぐしゃぐしゃになりながらも笑いながら言うと

 

 

アントネッラも、パオラも

笑顔で「YES」とゆっくりうなずいた。

 

 

 

アントネッラが言葉に出して

 

「レイコ、あなたは正真正銘のイタリア料理の先生だよ」

 

 

アントネッラは毎週のアサクラCHANNELを見てくれており、

私のレクチャーを見ている。

 

 

その彼女が、冗談でなくまじめに

やさしくそう言い、私を抱きしめてくれた。

 

私はまた泣けて泣けて泣いた。

 

 

 

「先生」とは

 

「自分が学んだ有益な情報を人にシェアし、

そして

それを学んで喜ぶ人の姿を見、喜べる人のこと」

 

 

とパオラは言う。

 

辞書の解釈とは違う心の辞書の解釈だ!

 

 

 

そうかそうか、私は先生なんだ!

 

私は日本に帰ったら、先生になる!

 

 

と二人の前で宣言すると、三人で抱き合った。

 

 

 

そのような経緯で、

私は帰国後の会津クチーナの講習11月の会で

 

 

「私は先生になります、先生と呼んでいただいて構いません」と

 

 

参加者の前でそう宣言したのです。

 

 

が!!!!

 

 

その後によく考え、日本人の特性を踏まえ、

 

いま敢えて言います。

 

 

 

 

呼ぶ人にとっても

言葉の持つネガティブな魔力に侵される場合がある、

ということにお気づきでしょうか?

 

 

先生という言葉の魔力は

呼ぶ人も、呼ばれる人も、どちらにも侵される可能性があるのです。

 

 

侵されない人は

是非、私を先生と呼んで下さい。

 

 

しかし、基本、お好きなほうをどうぞ。

 

今までのように朝倉さんやレイコさん、

どちらもOK!

 

 

これを読み腑に落ちた人、

 

先生と呼んでくれたらうれしいな~

 

 

会津クチーナでは、

 

 

イタリア家庭料理の素晴らしさを教えていますが、

心の辞書の「先生」を育てることもベースにレクチャーしています。

 

 

2021年1月第1回講師養成講座スーペリオーレ受講者8名に続き、

年明け1月はじめより、

 

3年ぶりに第2回が始まります。

 

 

5人の受講者が心の辞書でいう「先生」になるよう、

 

私は全面的にバックアップし、

指導したいと思っています。

 

 

料理することの喜び、

人に有益な情報をシェアする喜びの素晴らしさを、

求める人に伝える、

 

それを私の人生の課題とし、

来年もまっしぐらに歩いていく所存です!

 

 

オリーブオイルをはじめ、

イタリアの生産者が作るほんものの食材を

 

ひとりでも多くのみなさんにお届けできるように、がベースです。

 

 

そしてその素材をベースに

身近にある食材をおいしく料理できるよう、

料理の楽しさや、ほんとうの美味しさとはどんなものか、

 

 

それを感じ取れる人が一人でも増えるよう、

指導員の育成、スタッフの育成にと精進して参ります。

 

 

ここに改めて宣言したことにより、

来年からの私、朝倉玲子はまた進化したものになるのでは、

との予感がします。

どうぞお楽しみに!(笑)

 

 

そして最後に、

皆さまにとって素晴らしい2024年となりますよう、

 

心よりお祈り申し上げます!

 

 

長文お読みいただきまして本当にありがとうございます。              

 

              2023年12月30日

             穏やかな会津若松より

                 朝倉玲子