わら一本の値上げについて思うこと書いてみました

ウンブリア州のマイケルのつくるオリーブオイル

わら一本の新物が入荷しました。

 

大変心苦しいのですが、

時勢の影響、特に円安による原価の高騰で

値上げせざるを得ません。

 

変更は下記の通りです。

 

EVOわら一本500ml ¥4320 → ¥4620(税込)

EVOわら一本250ml ¥2750 → ¥2880(〃)

EVOわら一本100ml ¥1470 → ¥1650(〃)

となります。

 

●250mlに関しましてはまだ旧年産の在庫があります。

在庫分は旧価格での販売となり無くなり次第今回来たものに移行します。

●100mlは今回入荷の在庫でいったん終了します

 

以上です。予めご了承ください!

 

わら一本価格改定・値上げの詳細は

オルチョ通信7月号のコラムをご覧下さい。

 

 

わら一本ファンにはご負担をおかけしますが、

ご理解をいただき、引き続きご愛用頂けますよう、

お願い申し上げます!

 

 

 

 

わら一本について思うことを書いてみます。

 

 

マイケルのオイルは、非常に価値のあるオイル

私は思います。

 

 

中部イタリア・トスカーナやウンブリアのなだらかで雄大な丘陵地帯は、

 

オリーブやブドウ畑、そして小麦を中心に作付けられた風景であり、

それはそれは美しく、

 

 

地形と農業形態が織りなす独特の風景です。

 

 

場所は変わりますが、

アブルッツォ州で、アサクラオイル製造が始まり、

 

 

しばらくすると壁にぶち当たりまくっていました。

 

それはいろいろな意味でです。

 

 

お話会「アサクラオイルの会」などではしゃべっているので

ご存知の方もいるかと思います。

 

 

イタリアで農業・オリーブ製造をする上でもがいていた中、

ターニングポイントになるきっかけをくれたのが

 

 

北イタリア・ピエモンテ州カスティリオーレ・ダスティのワイン醸造家

今は亡きロレンツォコリーニさんです。

 

 

イタリアでのロレンツォさんの

 

ブドウ栽培やワイン製造に関する考えや

実際の農業の作業法を知り、

 

 

自分に重ね合わせ、

たくさんのヒントをもらいました。

 

 

その後も何かあると相談にのってもらっていました。

 

 

亡くなる寸前のメールのやり取りでは

 

笑顔を絶やさない、

ユーモアたっぷりのロレンツォさんらしくない

 

最初で最後の苦言を受けとり、

 

 

そのすぐ後に訃報を知り、納得。

 

 

最後の力を振り絞ってメールを書いてくれた私への大事なメッセージだったんだと、

涙が止まりませんでした。

 

 

ロレンツォさんについてはたくさんのエピソードがありますが、

全て自分の中の宝物です。

 

 

はじめてロレンツォさんと出逢ったのが2007年

私が自分で作るアサクラオイル製造を始めて3年目でした。

 

 

気さくな人柄のロレンツォさんは、

想像力豊富で、

 

前もってメールでやり取りした案件について全て網羅すべく

 

数日間のはじめての滞在でしたが、

知りたいこと以上にいろいろなことを教えてくれました。

 

 

管理する畑ももちろんすばらしいのですが、

何よりも先に連れて行って見せてくれた、

 

 

アスティの雄大なブドウ畑の風景がすごかった。

#この後の自身の畑の見学の伏線でもあった

 

 

風景に感動している中、

ロレンツォさんは私にこう言いました。

 

 

「あのね、レイコさん、

美しい風景のところには、いいワインが出来るんだよ」

 

 

と。

 

 

アスティの小高い丘のてっぺんが下に見渡せる

高い山まで連れて行ってくれ

 

 

見せてくれた風景は、

 

今でも目に焼き付いている。

 

 

「美しい風景はいいもの、つまりおいしいものを作る」

 

 

それはどういうことか?

 

とても難しいが、

 

 

そういう事なんだと思う。

 

理屈はあるが、理屈はいらない。

 

 

見たパノラマ全てが整っており、

 

 

人が手を入れたぶどう畑、

そしてところどころある森や畑は一枚の絵のようだった。

 

 

風景とは様々なことを語る。

日本も同じく、他の世界も同じく、

 

 

美しい風景のところにはいいものが出来る

最低限で最高の条件なのではと思う。

 

 

私達はその風景・景観を次につなげる役割があることを

忘れてはならない。

 

 

翻って足元を見てみる。

日本の風景をだ。

 

 

自分身近に見える

その風景は美しいだろうか?

 

 

美しい風景のところは、

 

におい(香り)もいい、聞こえる(自然の)音もいい、

 

 

そして五感の先にある感覚、

 

 

気持ちよさ、心地よさにも連動する。

 

この美しい風景を守り継げたらいいなと思う。

 

 

たしかに、

人が生きる上で科学的進化、化学的進化、、

必要でしょう。

 

 

私達はその恩恵もたっぷり頂いている。

 

 

自然もそのままにすればもちろん

私達人間が思い煩わなくとも

 

自然界は淡々と時間をかけ森に戻るのであろう。

 

 

しかし何百年と生命をつなげる度量のある

オリーブ畑を絶やすのはあまりに悲しすぎるし、

 

 

真っ当な国内産オリーブオイルの行き場がない状況は

流通上の、そして栽培上の今までにない何らかの負荷がかかったために起きている。

(この辺はお話会で話しています)

 

 

イタリア人がイタリアで作られたほんもののオリーブオイルを

購入して食べることを放棄しつつある現状に

 

歯止めをかけるのは難しいと思う、いま。

 

 

イタリアの美しい風景が無くなりつつある現在を

知ってほしい。

 

それは日本も同じく。

 

 

 

美しい風景、私達、人が生きていく上での

視覚聴覚触覚味覚嗅覚・五感が満たされると、

 

それらが心地いいを作り、

心が満たされ、各々の役割が全うできるのではないだろうか。

 

 

#つらつら書きながらそろそろ締めないと

 

 

提案!

美しさに意識してみるこれからにしてみてはどうか。

 

 

自然豊かな場に住んでいる人なら、

その環境に感謝しそれが続くようにと意識する。

 

農業をしている人なら

環境に配慮した栽培について意識してみる。

 

 

街に住んでいる人は、

美しい風景を保てるよう、

 

買物するときに意識する。

 

環境を配慮したものを買うよう意識する、

環境に配慮しようとする政治家を選ぶ(笑)

 

いろいろある!

 

 

こうなったらいいな~と

思うだけ、意識するだけでもいい。

 

意識すると、そうなるよう行動が伴うようになりやすい。

 

 

知らない、ということが残念。

無視も残念。

 

 

わら一本の話につなげると

マイケルはジャングル化し放棄されたオリーブ畑を復興させている。

 

 

オリーブは3年も収穫・剪定しなくなると荒れる。

 

 

下草やオリーブの枝ぶりが制御不能になる。

 

 

私のアサクラオイルの農園の隣もそうだったから

よくわかる。(それを私たちも復興させた)

 

 

復興にはかなりの時間と労力を要し、

ちゃんとオリーブが実るまでにも数年かかる。

 

 

 

それをやる!だれがやる?

みんなやりたがらない。

 

 

しかし誰かがやらなければオリーブの木は荒れ、景観が荒れ、

 

次の世代に美しいオリーブ畑をつなげることが出来なくなる。

 

 

翻って

オリーブオイルは、

今全世界の人がその価値を知り、

ニーズのある食用オイルだ。

 

 

その需要を賄うため、

またそれを逆手にとって悪だくみする人など流通の闇がある。

 

 

その闇はだめだーーーー

闇をそのままにしてはだめだ!

 

 

人が、自然環境が壊れる。

 

 

マイケルはそれらも判って

 

地道な日々の労力と裁量で淡々と生きている。

#言うのは簡単だがやるのは難しい

 

 

まだまだ現在の栽培面積では

彼の生計はぎりぎりなので

 

もう少し畑を増やして生産したいのが実情だが

増やすに増やせない現状だ。

 

 

農業で生活している生産者をイメージしていただきたい。

 

支援がないと、成り立たない

理解者がいないと、成り立たない

収穫したものが食べてくれる人の手に届かないと農業経営が成り立たない

 

 

イタリア内では

混ぜ物のないシングルエステートオイルは

 

価格がそれなりなので敬遠される。

#正しく言うと耳と目をふさいで現実を見ようとしない

 

10年以上前まではそんなことはなかった。

 

 

それっていいんですか?って

イタリア人に私は言いたい。

 

 

イタリア人の理解を広げることより、

 

 

アサクラオリーブセレクトをご愛用下さる、

 

日本人の皆さんにお願いした方が話が早い。

 

 

 

美しい風景・オリーブ畑を未来につなげる、という想いに賛同下さる方、

 

マイケルという、

一生産者に生き抜いてほしいとご賛同下さる方、

 

 

わら一本を広めてほしい!

お家で料理して使ってほしい!

 

 

切に切に願います。

 

 

美しい風景の中で出来るマイケルのオイルわら一本。

 

絶品です。

 

 

おいしい訳は、

美しい風景からできるオリーブの果実を使用しているのはもちろん、

 

最高の作り方をしている、

そして彼の美しい志と愛です。

 

 

そして私達も―――

 

会津倉庫での弊社スタッフ一同のわら一本愛も加わり、

 

 

最高品質のおいしいオリーブオイルとして

 

みなさまにお届けします。

 

 

どうか、

多くの方にご賛同いただけますように

 

私から皆様にお願いします。

 

 

 

チャオ