コラム内容
オルチョサンニータについての大事なお知らせ
昨年8月の通信でもお知らせしましたが、べネヴェント州にあるオルチョの畑が昨年夏に山火事からの延焼でオリーブ畑の一部が被災しました。被害は全体の一割弱程度ですが燃えたオリーブ木はかなりのダメージで元に戻るには数年を要すると予想されます。現状としましては数年間これまで供給してきた量が減り来年の新物到着までに欠品が予想されますこと、まずお知らせいたします。
また収量減と燃えた木の剪定に経費を要する為、生産者ジョバンナさんから新オイルより価格の変更がありました。一年前に時世の影響による価格変更をしたばかりで心苦しいですがさらに変更させていただきますことをご理解頂きたくお願い申し上げます。(価格変更は左上記載通り)
夏の山火事はイタリアではよくあることです。私も夏の滞在の折には何度か火災に遭遇してきました。なぜ火災が起こるかは様々な原因があります。南イタリアは、中部や北部、また日本とは違い、夏になると草が枯れます。ここ十年は干ばつ傾向にあり尚更で、日本では空き地や耕作放棄地には草が蔓延りますが枯れることはなく除草剤でも撒かない限り夏の時期に草が茶色に枯れた状態を見ることはありません。オリーブでもぶどうでも慣行栽培(一般栽培)は下草を常に刈るか除草剤で草を長く伸ばさないのが普通です。今回のように火災が起こらないようにする為でもあります。自然栽培や有機栽培では、果樹の下草は大事な畑のバランスを取るためのものですので除草しません。何らかの原因で火が枯れ草にうつると燃え広がり、かなりの影響が出ます。火の原因ですが、ほとんどがたばこのポイ捨てです。今回もたばこが原因との見方です。
私は昨年秋にオルチョの畑に行き現状を見てきました。オリーブの木全体が真っ黒になっているものもあり言葉が出ませんでした。その被害をこの目で見て生産者ジョバンナさん一家のショックは計り知れません。
オルチョ輸入販売から23年、オルチョの畑の木々からたくさんの恩恵を受けおいしいだけではなく、イタリア料理の楽しさまで教えてくれたこの畑のオリーブです。いままでの感謝の気持ちを込めて急がず、ゆっくりでいいのでオルチョのオリーブのペースで再生してほしい、と強く思いました。燃えて2ヶ月後でしたが枝と幹の間から新芽が出ている木もありました。その生命力とこれまで培った土壌の力も信じ、再生に向けて進んで行ってくれることを願って畑を後にしました。
船の遅延の影響で例年より遅れての到着となりますが無事、新オイルが中旬に届きます。価格改定を踏まえてあらしぼりを販売する予定です。
尚、火災によるオイルの風味や味に影響は?というご質問もありますが、それらにつきましては影響のないよう収穫しているとのこと、ご安心ください。
価格改定ではご迷惑をおかけしますが被害を受けたオリーブたちの再生も含めご理解とご協力を賜りたく心よりお願い申し上げます。
朝倉玲子拝
■価格改定のご案内■ ※価格はすべて税込み
2022 年産新ものより価格改定をさせて頂きます
オルチョサンニータ500ml→¥3150 →¥3360
オルチョサンニータ750ml→¥3990 →¥4230
ボルゴデイサンニーティ750ml→¥3900→¥3990
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レシピ:ヴィーガン・ボロニェーゼ