★通信新年1月号更新

2023年1月号通信

コラム内容

 料理の心

 二〇二三年が始まりました。毎年気ぜわしい年末からなだれ込むように新年を迎えますが、今年は少しだけ落ち着いて過ごせた年末年始でした。

 暮れには食の世界に入るきっかけとなった食のギャラリー612のたなかれいこさんが、起業し四〇年のお祝いの会を開催され参加してきました。たなかさんがケイタリングを始め五年経ち初めて採用した社員が私ともう一人の女性で私は二十三歳でした。本醸造の醤油や味噌、無農薬の野菜、化学調味料を使用しない料理の存在を私は612で初めて知りました。

 たなかれいこさんは私と一周り年が違いますが(私は来年還暦!)、その日のイベントではテキパキと何十名分もの料理をつくり、出てくる料理はいつもの612スタイル(懐かしい!)。食べるとシンプルながらも複雑な味のおいしさにハッとさせられるものばかりでした。厨房で働くたなかれいこさんは遠目で見ても料理姿はかっこよく、集中する所作はあの頃と変わりません。私は料理の美味しさと素材の扱い方などをたなかさんから学び今日にも通じているのは言うまでもありません。

 私はその会に参加したのをきっかけに、料理をすることに対し今まで眠っていたスイッチがオンになったような気がします。たなかさんが四〇年もの間、ケイタリングと言う形で本物の食材を使用した料理でパーティ料理を提供してきました。自然食をまだ皆知らない時代にケイタリングと言う形で啓蒙してこられました。そしてその後は料理教室を中心にレシピを教える単純な料理教室ではなく食材や料理法は身体に影響する、を身を持って体験されたことをベースに活動されています。お腹を満たすことだけや舌を満足させることだけ、また栄養学上の数値を満たすことや見た目で左右されることではなく、料理は目には見えない大事なものを作り出すことだとたなかれいこさんは一貫しています。

 料理をするということは、本当に大事で『人は食べなければ生きていけない』を通し、大事なことを受け取らなければならなく、感じ取らなければならないのではと思います。料理するには素材がないと成り立ちません。その素材こそ感じ取るべき何かを教えてくれるものです。健全な大地から育まれたもの、それを調える生産者さんの存在は外せない大事なことです。その大元の自然界の仕組みを尊重しそれに順じた生活ができるか?それが理解できると格段に料理はおいしくできるはずです。

 私はたなかさんの姿を過去から現在ずっと見てきて、今回心新たに素材に向き合いおいしいものを作りたいと思いました。そして実践する一年にしていきたいです。(れ)

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レシピ:じゃがいものガレッタ