★8月号 豊作の麦と豆・そして製麺所

2024年8月号通信

コラム内容

豊作の麦と豆・そして製麺所

6月、7月とイタリア各地の生産者を回りそれぞれの生産状況を見てきました。

オルチョサンニータの火災被害の後はまだまだ痛ましいものですが被災した木の脇芽から勢いよく新芽が伸びているのを見、生命力の強さを改めて再認識しました。被害のあった畑は大剪定され落とした太い枝が畑にまとめられた状況でした。これがきれいになるまで時間を要する、と見ました。また新もの・あらしぼりから大幅な価格改定にもかかわらずたくさんのご予約とご注文ありがとうございました。また、次回入荷のオルチョも価格がはっきりしないにも関わらず、予めのご予約もありがたいです。入荷するオルチョはほぼあらかじめのご予約でなくなりつつあります。お盆後発売開始のオルチョのWeb販売は無くなり次第終了となります

 さて、マルケ州の麦・豆栽培のクリスチャンについてご報告とお願いです。

近年の天候不順(2年前の干ばつ・一年前の2か月長雨の後の夏の干ばつ)で収穫量が不安定でしたがそれにも拘らずしっかり収穫できていたのは自然栽培(無肥料・無農薬)のお蔭で土壌が安定してきた、を実感しています。そして今年は地中海性気候らしい春以降の雨のない穏やかな天候から6月になり高温の干ばつ傾向ではありましたがイノシシにやられた軟質小麦以外は、ほぼ豊作になりました。どれも2年分に相当する量となりました!これまでのクリスチャンの全ての結果がこの実りとなったようです。何回も書いていますがイタリアのオーガニック認証の穀類の畑は連作ができず4~5年のローテーションで作付けをしなければなりません。

2009年にアサクラパスタ用の古代小麦を探しクリスチャンに出逢いファッロ麦の生産を頼んだのがきっかけです。ローテーション栽培の為合わせて豆も輸入しなければならない現状です。    またアサクラパスタの現状も変わりつつあり、お願いしていた製麺所が6月末で廃業のため駆け込み注文をし最大限の数のパスタを製造してもらいました。

その為、7月収穫した豊作のファッロ麦やカッペッリ小麦ですが当分、パスタ製造の目途が立ちません。出来た麦の有効利用をパスタ以外でする、を考えねばなりません。

お陰様でファッロの「全粒粉」は人気が出てきました。実は冷凍ピザの試作をし、とてもおいしく出来ました。チーズやトマトソースはピザ製造所が調達した一般のものですが生地はファッロと国産小麦でつくったものです。冷凍での大量のロット(最低1,300枚)になるため、弊社では冷凍設備がないため冷凍流通が可能な卸先を探しています。この冷凍ピザ、みなさん食べてみたいと思いませんか?

またお菓子やパン加工に業務用ファッロ粉を必要とされている方にも業務用を考えています。必要とされている方、またそれに通じる方ご存知の方を探しています。折角できた生産物を無駄なく豊作を生産者の喜びと思える現象にしたいと強く思います。私の力だけではどうにもなりません。皆さんのお力とお知恵を拝借できればと思います。何かいいアイデアをいただけるとありがたいです。

麦類もですが、レンティッキエ(レンズ豆)もいままでの2倍以上の収穫量となり、これにも嬉しい反面、いままでチェチ(ひよこ豆)ばかりに集中し、収量の安定しないレンティッキエへの販促は手が回りませんでした。チェチが何とか軌道に乗り出したのでレンティッキエに今後は力を入れなければなりません。料理教室でも煮方と食べ方をレクチャーすると皆さん美味しいと買って下さいます。YouTubeアサクラCHANNELでも何度も紹介していますのでこちらの消費もご協力いただけましたらありがたいです。豊作、とても喜ばしいことです。土壌と生産者の進化の賜物です。それを受け止めるべくみなさのご協力を心よりお願い申し上げます。           (れ)

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レシピ:なすのチェチ味噌田楽

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